仕事仲間の強みと弱みを知り、相互補完の関係をつくる──チームワーク創造メソッドをやってみた
新年度がはじまり、メンバーの入れ替わりがあった職場の方も多いことと思います。
加わる側も迎える側も双方で、お互いを知り合い、新たなチームとしてより力を発揮していきたいですね。そのような時におすすめしたいワークとして、チームワーク創造メソッドがあります。
サイボウズでは、チームワークをこう定義しています。
チームのメンバーが、目標(理想)を達成するために役割を分担し協働すること
チームワーク創造メソッドは、この「チーム内の役割分担や協働作業に向けて、メンバー一人ひとりの強みと弱みを共有する方法論」です。メンバー同士の効率的な補完関係を築く際に、力を発揮します。
わたしたちチームワーク総研では、昨年中途入社したメンバーと、お互いの強みと弱みを知り、メンバーの弱みを自分の強みで補うため、チームワーク創造メソッドをやってみました。
「メンバーの強み・弱みを共有すると、チームにとって良さそうだ」──実施の様子をお伝えすることで、その効果を感じていただけると嬉しいです。
強みと弱み、お互いをよく知りあうこと
当日は、75分を予定して、未体験のメンバーを含め10名を超える人数で行いました。この中には、仕事で直接関わり合う者もいれば、週1回の定例会で顔を合わせるぐらいの者もいます。わたしたちは大まかな担当はありますが、担当を超えて意見を求めたり協働したりすることもあるため、お互いをより知りあうことは、仕事をすすめる上で直接的なメリットとなります。
ファシリテーションは、シニアコンサルタントの松川です。下図の手順ですすめました。
ポジティブな言葉のシャワーで、メンバーの強みを浮きあがらせる
はじめのステップです。
➀その人の強み、頼りになるところを、全員で書いて伝えましょう
今回はオンラインで行ったため、グループウェア上に各自用のカキコミ欄をつくり、コメントを重ねていく方法をとりました(対面での開催ももちろん可能です。その場合は付せんやメモ紙を活用します)
対象 1人につき 1分間と時間を区切り、その人の強みについて、メンバーが一斉に書き込みます。「わかるー」「それね!」など、ワイワイとすすみました。
こちらはコンサルタント新島のコメント欄抜粋です。わずか1分間でしたが、40件近いコメントが集まりました。ここには、新島の強みが見える化されています。
読むことで、書かれた本人に気づきが生まれることもありますし、書いた側も、他メンバーのコメントから、その人の強みを再認識することができます。
同僚からのポジティブな言葉のシャワーを浴びることは、想像以上に良い気分になります。また、時として自信を与えてくれます。メンバー全員が、一斉に良いところを認めて褒めてくれるのですから。
この記事を読んでいる皆さんにも、ぜひ体験していただきたいところです。お客様の話ですが「書いてもらったメモを大事に持ち歩いている」という方もいらっしゃいました。
自分の強みは、もっとチームに還元できる
全員分の強みを認識した後は、次のステップです。②③④を1セットで、一人分づつ行いました。
②自分の弱み、サポートしてくれそうなタイプを書きましょう
③発表しましょう
④聞いた人は応援のコメントを書きましょう
②は内省の時間です。各自が自分に向き合い、弱みを書き出します。できないことや、難しいことを認識することは、ともすると気分が塞ぎがちになるものです。しかし、自分がどう感じているのかを、一度しっかり把握することが大切です。
把握をしたら「そんな自分をサポートしてくれるのは、どんなタイプなのか」を考えます。仕事に関らず、誰にでも弱みや苦手なことはあるものです。しかし、自分にとっては苦手なことでも、他のメンバーの中には、それが得意な人や難なくできる人がいるはず。自分の弱みを明かし、他メンバーの強みで補うという発想で、関係性を考えるのです。
書き込んだら、③発表です。本人の告白を、全員で静かに聞きました。
チームワーク総研でコンシェルジュをしている小山はこのように書きました。
「思考力」や「論理性」が強みとされた新島は「一緒に戦略・計画を考えましょう」と、応援コメントを書きました。自分の強みで何をサポートできるか、一人ひとりが主体的に考えることで、チームとしての協力体制を作ります。
まとめ
チームワーク創造メソッドは、年度初めだけではなく、年に何回か実施するのがオススメです。なぜなら、メンバーの日々の変化によっても強み・弱みは変わるからです。仕事の合間に、皆さんもぜひ試してみてください。
サイボウズチームワーク総研では、わたしたち自身のチームワークを高めるため、日々様々な試みや活動をしています。これからもレポートしていきます。
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著者プロフィール
三宅 雪子
チームワーク総研研究員・編集員。組織におけるチームワークを探求。働く人の強み・魅力を引き出し、人と人との関わりをチームの生産性へつなぐ道すじを探る。