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サイボウズ流1on1ミーティング「ザツダン」とは?

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近年、ビジネスシーンで1on1(ワン・オン・ワン)ミーティングがにわかに注目を集めています。1on1は、リーダーとメンバーが「1対1で対話をする」ミーティングです。

1on1はサイボウズでも「ザツダン」という形で行っています。

今でこそ、働きやすい会社とご評価いただくようになったサイボウズですが、かつては離職率が28%の時代がありました。現在のような制度や風土はなく、「ブラック企業」と揶揄されても仕方ない状況の中、元副社長の山田理が最初に取り組み始めたのが、「一人ひとりと1対1で話す」ことでした。

そこで、この記事では、一般的な1on1とサイボウズ流1on1の違いや、1on1ミーティングを行う上で大切なことについて見ていきます。

1on1ミーティングとは?

改めて、「1on1ミーティングとは何か」について。

1on1は、リーダーとメンバーが「1対1で対話をする」ミーティングです。一般的には1回30分、週1回~月1回の周期で行われています。

話す内容は「これ!」と明確に決まっているわけではありませんが、仕事上で起こる問題や悩みをリーダーとメンバーが共有する時間に当てたり、仕事をよりよく進めるために、現状や理想を確認し、ギャップを明確にすることによって、行動を支援したりします。

その目的は、主に「部下の人材育成」です。

サイボウズ流1on1「ザツダン」とは?

サイボウズで行っている1on1は「ザツダン」と呼んでいます。ザツダンはその名の通り「雑談」でよく、なんでも話していい時間です。「制度」や「ルール」として決まっているものではなく、多くのマネジャーが自然発生的に行っています。

サイボウズのザツダンと、一般的な1on1には、次のような位置づけの違いがあります。

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一般的な1on1は、メンバーの悩みを解決し、成長を支援するために、コーチングやカウンセリング、ティーチングなどの中間的な位置づけです。

サイボウズのザツダンでも、一般的な1on1のように行っているマネジャーもいますが、それほど「メンバーの成長を促そう」としなくてもよく、まずは、コミュニケーションの量を増やし、メンバーの状況を知ることを主体にしています。

ザツダンは誰のためにあるのか?

リーダーとメンバーの「1対1の対話」という言葉に、四半期に一度行われるような「面談」をイメージする方もいらっしゃるかもしれません。面談は一般的に、「評価」が伴うもので、その主体は「リーダー」にあります。

一方、ザツダンの主体は「メンバー」にあります。メンバーが抱えている問題を解決し、仕事がスムーズに進められるようリーダーが支援します。

ザツダンでは、仕事に関することはもちろんのこと、プライベートに関することも話すことができます。プライベートで心配事があると、仕事に対する意識にも変化があるものです。メンバーの状況を知り、問題を一緒に解決していくのが「ザツダン」です。

ザツダンの効果

ザツダンについて、多くの社員から次のような声が上がっています。

メンバーにとって

  • 仕事の悩みをリーダーと共有できる(一人で悩まずに済む)
  • 心理的な負荷を取り除くことができる
  • 業務をよりよく進めるためのアドバイスが得られる

リーダーにとって

  • メンバーの心理的、業務的な状況を把握できる。問題に早く気づける
  • 定期的に話すことによって、理想の確認、ギャップの明確化、行動といったPDCAサイクルを回すことができ、成長と自立を促すこともできる

チームにとって

  • 定期的なコミュニケーションによって人間関係が円滑になる
  • 自発的なメンバーが増え、チーム力が高まる

メンバー間でのザツダンも

一般的な1on1同様、ザツダンも今までは、リーダーとメンバーで行われてきました。しかし、近年は「リーダー以外とザツダンする」部署も出始めています。

例えば、2019年、開発本部では組織体制が変わりました。チームがフラットになり、権限と責任がチームに委譲された結果、組織変更したら部長がいなくなりました。そのため、今までマネジャーが行っていたザツダンの相手も、自由に選べるようにしたと言います。

また、筆者が兼務しているコーポレートブランディング部でも、「誰でもザツダンできる」ようになりました。筆者は今、40代ですが、先日、20代の社員にザツダン相手になってもらいました。

「ザツダン」でチームワークあふれる会社に

業務が忙しいリーダーにとって、「毎週30分、メンバー1人1人と話している時間など無い」と思われる人もいるでしょう。そう思われるのも当然です。

一方で、「最近、メンバーとのコミュニケーションが不足しているな」とお感じの方もいらっしゃるかもしれません。

もし、そうお思いでしたら、1対1で30分、メンバーと定期的に話すことからはじめてみてはいかがでしょうか。


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著者プロフィール

竹内義晴

チームワーク総研とサイボウズ式編集部の兼務。新潟でNPO法人しごとのみらいを経営しながらサイボウズで複業しています。「2拠点ワーク」「週2日社員」「フルリモート」というこれからの働き方を実践しています。