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ザツダン(1on1ミーティング)のはじめ方と定着させる3つのコツ

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サイボウズ チームワーク総研の竹内義晴です。

「チームワークあふれる社会を創る」が理念のサイボウズ。この記事をお読みになっているということは、きっとあなたも「チームワークをよくしたい」「もっとコミュニケーションがいい会社にしたい」といった理想を描いていらっしゃると思います。

去る2020年1月10日。サイボウズ東京オフィスにて、サイボウズ流1on1ミーティング「ザツダン」実践ワークショップを開催しました。

ワープショップでは、「一般的な1on1ミーティングとサイボウズのザツダンの違い」と、「1on1を楽しく実践するカンタンなスキル」についてご紹介しました。

「一般的な1on1ミーティングとサイボウズのザツダンの違い」についての概要は、サイボウズ流1on1ミーティング「ザツダン」とは?にもございます。詳しくはリンク先をご覧ください。

「1on1を楽しく実践するカンタンなスキル」は、「具体的に、どうやるのか?」について、傾聴や会話の組み立て方など、職場で実践するためのスキルをワークショップ形式でお知らせしました。

アンケートでは、「実践的な研修だった」「定期的にコミュニケーションをとることで、社員の心の動き、変化が分かりそう」「興味があるメンバーで小さく取り組みを始めて効果検証し、活動を広げたい」といった声が届きました。

一方、課題として「社員に対して、どう意識付け、必要性を定着させるか」「会社からの理解をどう得るか」「本当にやって欲しい人たちの腰が重そうで、なかなか取り組んでくれないかもしれない」「宣言するとどうしてもわざとらしさが出てきてしまい、白けてしまうかもと思うと怖い」といった意見がありました。

セミナーで学んだことを職場で実践するのは、ことのほか難しいですよね。そこで、1on1ミーティングをスムーズに取り入れるための、ちょっとしたポイントをお知らせします。

ザツダン(1on1ミーティング)のはじめ方と定着させる3つのコツ

職場でザツダンをスムーズにはじめるポイントとして、3つ挙げてみました。

小さく始めること

最初にお伝えしたいポイントは「小さく始めること」です。

「社員に広めたい」と思うとき、社内の「制度」を最初に作って始めようとするケースもあろうかと思います。しかし、いきなり大きくはじめようとすると、いろんな手続きを踏む必要があります。また、効果もよくわからない中で、まわりを説得するのも時間もかかり、大変です。

「自分のグループだけ」のように小さな範囲なら、自分の意思だけで始められます。まわりを説得する必要もありません。

無理強いしないこと

次のポイントは「無理強いしないこと」です。

新しいことを学ぶと、「みんなに知ってほしい」と、つい張り切ってしまうものです。けれども、「ザツダン」「1on1ミーティング」といった耳慣れない言葉を聞いた人にとっては、「また、面倒なことを始めるのかな?」のように、警戒感を示す人も少なくありません。

イヤな人に無理やりやらせても、ポジティブな結果は得にくいもの。それならば、「わかってくれる人だけでいいや」くらいの気持ちで始めたほうが、導入はしやすいでしょう。

理解してくれる仲間を集めること

ザツダンを小さく始めて、効果を感じ「社内に広げたい」と思ったら、取り組みを理解してくれる、関心を寄せてくれる仲間を集めましょう。

同じ会社で働いている人の中には、あなたのように、「チームワークをよくしたい」「もっとコミュニケーションがいい会社にしたい」と思っている人がきっといるはず。そういった仲間なら、あなたに協力してくれます。

草の根的に広げるのがポイントです。

ザツダン(1on1ミーティング)を小さくはじめた事例

個人的な話で恐縮です。わたしが1on1ミーティングを始めたときの経験をお話させてください。サイボウズに入社する前の事例です。でも、サイボウズの事例ではない分、「それなら、自分の会社でも始められるかも?」と思っていただけたらと思い、ご紹介します。

わたしは以前、IT企業で、メンバーが20名ほどいるチームの中間管理職をしていました。職場の雰囲気が悪く、コミュニケーションに問題があると感じていたわたしは、「なんとかしたい」と思っていました。

上司に「コミュニケーションに問題がある。コミュニケーションの勉強をして、社内をよくしたい」と伝えましたが、まだ「1on1ミーティング」や「ザツダン」といった言葉が浸透していなかった時代です。なかなか理解を得ることができませんでした。

そこで、自費で傾聴の勉強をし、自分のできる範囲から始めることにしました。

まず、「毎月一人30分ずつ。メンバー全員と話をしよう」と決めて、「はたらきやすい職場にしたいので、毎月一人30分ずつ、みんなと話がしたい」と目的を伝えました。そして、全員のスケジュールに、ミーティングの時間を入れました。

始めたばかりのころは、「何のためにやっているのか分からない」とメンバーから言われたり、上司から「無駄話をしているなら、仕事をしなさい」と指摘を受けたりしました。でも、「もっとはたらきやすい職場にしたい」と思っていたわたしは、あきらめることができませんでした、とにかく毎月、全員の話を聞き続けました。

半年ほどすると、変化が現れはじめました。メンバーから「話して楽になった」「聞いてくれてありがとうございました」といった声が聞こえたり、問題が大きくなる前にキャッチアップできたり。また、いままでなかなか話す機会がなかったメンバーの本音を聞くことができるようになり、次第に、1on1ミーティングの効果を実感できるようになったのです。

この経験を通じて思いました。「話すことって、大事だな」と。「自分ができることから、やればいいんだ」と。これはわたしにとって大きな自信になりました。

小さくなら、無理なくはじめられる

これはわたしの事例で、あなたの会社とは環境が異なるかもしれません。けれども、あなたが置かれている環境も、このような感じではないでしょうか。

まだ、効果が実感できていない中で、ザツダンを社内に広げるのは難しいし、周囲の抵抗も大きいものです。でも、自分ができる範囲からなら、それほどハードルが高くありません。まずは、あなたができる範囲から、はじめてみてほしいと思います。

そして、ザツダンの効果を実感できたら、少しずつ、周りに広めていっていただけるとうれしいです。


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著者プロフィール

竹内義晴

チームワーク総研とサイボウズ式編集部の兼務。新潟でNPO法人しごとのみらいを経営しながらサイボウズで複業しています。「2拠点ワーク」「週2日社員」「フルリモート」というこれからの働き方を実践しています。