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ラグビー日本代表「ONE TEAM」をサイボウズのチームワークメソッドで分析してみた

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サイボウズ チームワーク総研の竹内義晴です。

2019年11月2日に幕を閉じたラグビーワールドカップ。日本中に感動の渦を起こしました。個人的には、いままでそれほどラグビーに興味があったわけではありませんが、連日放映される熱戦に「にわかラグビーファン」になりました。といっても、細かいルールはわからないのですが(笑)。

今回の大会で注目を集めたのは「ONE TEAM」という言葉です。2019ユーキャン新語・流行語大賞では、「ONE TEAM」が年間大賞に選ばれました。

そこで、改めて「ONE TEAMって、何だろう?」と思って、ネットの海をさまよってみたら、いたるところに「絆」「団結」という言葉が並んでいました。絆や団結、大切ですね。

でも、どうすれば絆や団結が高まるのでしょうか。どうすればONE TEAMになれるの?

調べてみると、今回のラグビー日本チームは、いわゆる、トップダウン型の「一人のリーダーに頼るチーム」ではなく、ポジション間の連携など「個々人のまとまりを重視したチーム」だったそうです。

実は、サイボウズのチームワークも「多様な個性の尊重」や個々人の「自立」を大切にしています。ひょっとしたら、ONE TEAMと通じるところがあるかもしれません。そこで、今回のコラムでは、サイボウズのチームワークで大切にしている要素を紹介しながら、「ONE TEAMの作り方」についてみていきます。

チームワークを発揮するためには「5つのポイント」がある

前出のように、チームワークというと、一般的には「絆」や「団結」といった抽象的な言葉で表現されることが多いですが、サイボウズでは「チームワークはロジカルに理解し、改善できるものである」としています。

ここで紹介したいのが、チームワークを発揮するための5つのポイントです。5つのポイントとは......

  • 理想を創る
  • 役割分担
  • コミュニケーション
  • 情報共有
  • モチベーション

です。

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それぞれについてみていきましょう。

理想を創る

1つ目は「理想を創る」です。理想とは、「ゴールは何か」ということです。

チームとは、異なる考え方や背景を持つ、多様な人たちの集合体です。多様な人たちの意識を一つに集めるためには「共通の理想」が必要です。理想があるからこそ、一致団結できるとも言えます。

今回のラグビーワールドカップにおける日本代表の目標は「ベスト8に入る」でした。ちなみに、サイボウズの理想は「チームワークあふれる社会を創る」です。

役割分担

2つ目は「役割分担」です。役割分担とは、「メンバーの強み弱みを活かして役割分担する」ことです。

たとえば、ラグビーには、フォワードと呼ばれる前の8人と、バックスと呼ばれる後ろの7人がいます。すべての人が「オレはフォワードがやりたい!」では、チームとしては成り立ちませんし、逆に、「フォワード、本当は苦手なんだけどな」という人がフォワードでは、強みを発揮できません。

メンバー一人ひとりの強み弱みを知る。そして、それを生かした役割に分ける。このように、強み弱みを生かした役割分担をすることで、チーム力を最大限に発揮できるのでしょうね。

コミュニケーション

3つ目は、メンバー間の「コミュニケーション」です。

ラグビー日本チームは、年間240日にも及ぶ「世界一過酷な合宿」を乗り越えるために、家族といるより長い時間をかけてコミュニケーションを取り、スローガンとして掲げたONE TEAMを作り上げたといいます。

サイボウズでも、コミュニケーションを大切にしています。コミュニケーションの量を増やすために、1対1で自由に話すザツダンを行ったり、説明責任と質問責任を果たすことで、チーム内の理不尽をなくし、コミュニケーションをよくしたりしています。

情報共有

4つ目は「情報共有」です。

ラグビー日本代表の医師・トレーナー陣は、選手のケアをするために、普段から選手の状態について情報共有したといいます。なぜなら、性格が皆違う選手一人ひとりに、合った対応をしなければならないからだそうです。

サイボウズでも、情報共有を大切にする文化があります。本部長会のような経営的な情報から、それぞれが抱くちょっとした感情まで、グループウェア上で共有しています。情報を共有することで情報の壁がなくなり、関係性がフラットになります。

モチベーション

5つ目は「モチベーション」です。行動を前向きに、継続的に行うためには、一人ひとりのモチベーションを維持向上していく必要があります。

たとえば、ラグビー日本代表のリーチ マイケル主将は、チーム全体を動かすモチベーションを訊かれ、こういったそうです

「満足をしていないのが一番。ここで終わりじゃない。ベスト8に出て、もう一回多くの人に自分たちの試合を見せるチャンスがある。そのチャンスを増やすために、選手一人ひとり頑張ってきている」

モチベーションの維持向上は、人によってさまざまかもしれません。「ここで終わりじゃない!」という使命感がモチベーションの維持向上に役立つ人もいるでしょうし、「ベスト8に出たい!」「もっと多くの人を喜ばせたい!」という理想が、動機づけになる場合もあるでしょう。

サイボウズでは、モチベーションの維持向上を「モチベーション創造メソッド」として体系化しています。モチベーション創造メソッドとは、「できること」「やるべきこと」「やりたいこと」の3つが重ねあう領域を増やし、モチベーションを維持向上するというものです。

ラグビー日本代表に置き換えると、「ここで終わりじゃない!」がやるべきこと、「ベスト8に出たい!」「もっと多くの人を喜ばせたい!」がやりたいこと、それを実現するために、個々人のできることで、モチベーションを維持向上しているのでしょう。

チームワークはロジカルに理解・改善できる

ここまで、ラグビー日本代表のONE TEAMを、サイボウズのチームワークメソッドでみてきました。

冒頭にも触れたように、チームワークは「絆」や「団結」といった抽象的な言葉で表現されがちです。それだけに、感動はしても、それを自分が所属するチームに生かすのはなかなか難しいものです。

けれども、チームワークはロジカルに理解・改善できます。サイボウズではチームワークを高める研修に「タグラグビー」を取り入れています。ラグビーほどハードではありませんが、チームワークを楽しく、体で学ぶことができます。

あなたの会社も、チームワークを発揮するための5つのポイントでONE TEAMを目指してみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

竹内義晴

チームワーク総研とサイボウズ式編集部の兼務。新潟でNPO法人しごとのみらいを経営しながらサイボウズで複業しています。「2拠点ワーク」「週2日社員」「フルリモート」というこれからの働き方を実践しています。