全社員研修
会社の問題について話し合いは「理想を共有」すればハッピーにできる ──インフラメンテナンス業界でのオンライン全社研修
有限会社 神輝興産
神輝興産様にて、現在の組織をさらに強いチームにするための全社研修を行わせていただきました。
神輝興産は、兵庫県神戸市で、橋や道路、トンネルなどの調査・点検を行っているインフラメンテナンス会社です。日本全国には、70万を超える橋があります。 近年問題になっているのは、これらの橋の多くは高度成長期に造られており、老朽化してきていながらも、予算上新しく造り直すより、今あるものをいかに長く使えるようにするかが求められているとのこと。私達が安全に暮らすために欠かせないインフラの改修には、技術と経験、実績が必要です。神輝興産はそうした事業を30年近くされていながらも、平均年齢は29歳と、若い人も多い会社です。
そうした背景から、日々手掛けられる案件が増していく中で、新入社員は増加していくものの、育成が後手に回りがちだったり、スキル偏重になりやすかったりしていた点もあったため、今回の研修では、「組織をチーム化する」をねらいに、①社員の「チーム」意識を高める、②建設的な議論ができるようにする、の2点をゴールにおいて実施いたしました。
当初はリアルで行う研修を実施予定でしたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、急きょオンラインに切り替えての研修実施となりました。2日間、約3時間ずつ実施いたしました。
自社は自分たちで変えられる──ボトムアップの事例とチームの話
1日目は、様々な制度や働き方の仕組みなどを作り上げてきたサイボウズの変遷を少しお話しました。制度浸透がうまくいかなかったり、社員同士の議論が嚙み合わなかったりした時代から、どのように現在まで変わってきたのか、ボトムアップで制度や仕組みを作り上げてきたコツなどをお伝えしました。
その後、チームの理論を確認し、全員で、一人ひとりの強みや得意を言い合うワークショップを行いました。
チームの構造を知り、得意なことでチームに貢献すると強いチームになりやすいこと、自らの意見を発信することは組織が良い方向に変わる大事なきっかけになることをお伝えしました。
1日目の感想
公平よりも幸福を重んじるというのが印象に残りました。何かを決める時、どうしても公平性がないと取り入れにくいと思ってやめてしまう事が多かったのですが、公平ではなく幸福かどうかで考えてみたいなと思いました。
グループとチームの違いについても、今までは同じ目標や目的に向かって仕事ができていなかったなと思いました。今年度はチームとして頑張れるようにしていきたいと思います!
自分の弱みや苦手なことは、克服しなければいけないものという考えがありました。しかし、チームで協働する上では、むしろ、各々が自分の強みや得意なことを発揮することに注視することが重要なのだと新たな気づきを得ました。
自分の考えがあっても、わがままや独り善がりではないかという思いでなかなか発信できないことがあります。お話を伺い、思わぬ意見から会社の制度を良いものに変えていけるのだと知り、自身のちょっとした考えや気づきを発信してみることは大切だなと思いました。
たった一人のワガママかもしれない事が社員の業務効率化に繋がり、ひいては会社にとっても有益になるのだと思いました。私達の会社では、"1on1 ミーティング"や"みんなの意見箱"等を用いて、自分の意見を言える環境があるので、これからもっと良い会社になっていくだろうと思いました。
それぞれの考えや理想が「こうも違うのか」と認識した──議論のフレームワークを学ぶ
2日目はモチベーションの仕組みと、議論のフレームワークを実践しました。事前に話し合いたい事項を抽出し、それについて話し合う過程でフレームワークを体感してもらうワークショップを行いました。
話し合った問題は3つ。「社内ツールが多くて使いこなせない問題」「新しいことを取り入れるスピードは早いが継続しない問題」「社内での情報共有にムラがある問題」でした。 チームワーク総研のコンサルタントが各チームでファシリテートしながら議論を進めていきました。
今回は時間も限られた中での研修でしたので、翌日以降の社内での議論に活かすことを視野に入れ、フレームワークの体感をするところで留めました。
2日目の感想
問題について話しあうときに、「問題=理想と現実のギャップ」ということが意識できていませんでした。問題についての話しあいは、しんどい印象ですが、理想の共有をすると思えば、すごくハッピーな気持ちで話しあいができるなと思いました。研修をしたことで、問題解決→理想共有という意識変換をしていけそうです。
相手に何かを伝えるときは理想と現実を話すことが重要で、ついつい現実ばかり言ってしまうので、ただの愚痴やワガママに聞こえてしまいます。必ず理想もセットで考えて、責任を持って発言するようにすれば、言われた側も話し合いやすく上手く進むと思いました。
同じ問題や課題でも、それぞれの考えや理想がこうも違うのかと実感しました。 意見を出す環境が整った上で、全体の理想を一致させ、共通言語で話し合う事が重要だと思いました。
モチベーションの構成要素を3点に纏めていただいたことが、とてもシンプルでわかりやすかったです。3点を満たすようにすることで、今後の自分のモチベーションを高い状態に保てそうです。
チームとして活動するために、まずは発言しやすい場作りとチームとしての理想を話し合ってみるのが大事だなと思いました。
今回の研修は、チームへの意識不足や、社内での議論がうまく進まないことの課題感、組織をチームにしたいというマネージャー陣の想いから実施された研修でした。
チームの理論を学び、役割分担のワークショップを行うことで、「チーム」の理解と自らもチームの一員であるという意識の高まりが得られたこと、多数決とは異なる「建設的な議論」のしかたを学ぶことで、「もっと話し合いたい」という社員の声が多く出てきたことは、マネージャーから見ても大きな変化だったようです。
代表の方のツイート神輝興産様が今回の研修を経て、より「チーム」となり、日々の業務のなかで良い変化が起こる確信を私達も持ちました。 また、両社ともに初のオンライン研修でしたが、思った以上に難なく進み、参加者の理解も通常の研修時と変わりなく得られた実感がありました。
サイボウズ チームワーク総研では各種研修・コンサルティングを行っております。 今回のような全社研修をはじめ、年次別フォローアップ研修、階層別研修も多数ご用意しておりますので、どうぞお気軽にお問合せ下さい。