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ハイブリッドワーク講演

柔軟な働き方とチームの活性化を両立するハイブリッドワークのポイント

株式会社クエスト

クエスト講演サムネイル.png

2023年2月、株式会社クエスト様にて、社員の技術力向上や交流を目的としたイベント「クエストグループISシンポジウム」が開催されました。同社最大級のイベントで、会場・オンラインを含め800名以上の方が参加されました。

その中で、「柔軟な働き方とチームの活性化を両立するハイブリッドワークのポイント」について、サイボウズ チームワーク総研 コンサルタント鬼頭久美子が講演をさせていただきました。 

現場の課題に合わせ、講演内容を設計 

ハイブリッドワークとは、テレワークとオフィスワークを組み合わせた働き方です。サイボウズでは、2011年からテレワーク制度を導入し、10年以上ハイブリッドワークに取り組んでいます。 

講演では、クエスト様の現場に合った内容とするため、社員のみなさまへ事前にアンケートを行いました。

 アンケートによれば、ハイブリッドワークは「移動時間が削減できて効率的」といったメリットがある一方、以下のような課題やデメリットが寄せられました。

アンケート結果.png
アンケートでは「コミュニケーションがとりづらい」「業務状況・情報の把握が大変」「他チームとの関係性構築が難しい」といった課題意識が上位となった。(複数回答可 / クエスト様社員502名回答)

大きくまとめると、以下の2つになりそうです。 

  • 社内の情報やメンバーの状況を把握しづらい
  • 対話する機会が減って社員同士のつながりが希薄になる

講演では、これらの解決策についてお話しました。 

問題解決ポイント①「見せる」情報共有

1つ目の、「社内の情報やメンバーの状況を把握しづらい」を改善するためには、「『見せる』情報共有」がポイントになります。

オフィスワークでは、何気ないやりとりが耳に入ってくるため、それほど意識しなくても多くの情報に触れることができます。一方、テレワークはやりとりした人との情報しか得られず、メンバーの状況が見えづらいと感じる場合があります。 

これは、オンラインで情報をやり取りする際、「伝える相手が限定されている」ことが大きな要因です。

隠れた情報共有イメージ.png

「社内の情報やメンバーの状況を把握しづらい」問題を回避するには、情報を「届けたい相手」だけではなく、「それ以外のメンバーにも」共有します。つまり、あなたが誰とどんなやり取りをしているかを、周囲のメンバーにも「見える」ようにするのです。 

これは、情報を一方的に伝える「情報伝達」と、情報を誰でもいつでも見ることができる「情報共有」の違いです。やり取りを「見える化」することで、お互いの状況把握につながります。 

「『見せる』情報共有」の工夫としては、共有の目的や状況により「情報の加工度を変える」ことです。メモ程度でも十分な情報であれば、スライド作成などせずそのまま共有することで、情報を見せることへの負担を下げることができます。 

また、情報をあえて加工せず、自分の考えをすべてオープンにすることで、業務の属人化を防ぐことにもなります。 

問題解決ポイント②「見せる」コミュニケーション 

2つ目の、「対話する機会が減って、社員同士のつながりが希薄になる」を改善するには、「『見せる』コミュニケーション」がポイントになります。

テレワークを行うにつれて、対面でのコミュニケーション機会が少なくなり、「孤独感を感じる」「人とのつながりがなくて寂しい」という気持ちを抱いたことはありませんか? 

このような課題を解決するためには、コミュニケーション量を意識的に増やすことが必要です。 

サイボウズでは、コミュニケーション量を増やし、相互を理解するために、1対1でざっくばらんに話をする「ザツダン」を行っています。業務のことに加え、気持ちも「見せられる」場づくりを意識しています。

会話だけではなく、テキストによるやりとりも同様です。特に、チャットやメールによるやり取りの場合、コミュニケーションが閉ざされ、メンバー同士の関係性はなかなか見えません。 

状況感情情報も見せるイメージ.png

そこで、業務上のやり取りに加えて、「いま、〇〇だと感じている」「わたしの意見では、〇〇だと思っている」といった、感情や価値観についてもできるだけ「見える」ようにすることで、「社員同士のつながりが希薄になる」といった問題が解決できます。

みなさまの感想 

講演のアンケートでは、参加者から以下のような声が届きました。

  • いま我々がまさに直面しているテレワークでのメリットデメリットを解決する糸口的なところを教授いただき、とても参考になりました。明日に生かそうという自己啓発になりました。
  • 「柔軟な働き方」は一番興味があった部分なので、シンポジウムの場で聞けたことがとても良かった。
  • さっそく週明けから、チームメンバーとのコミュニケーション方法に取り入れるなど、業務に取り組みたいと思います。
  • チームワークにおいて感じていた課題についてこれから自分に何ができるか、気づきが得られました。

シンポジウム事務局の方からは、次のようなコメントをいただきました。

今、私たち社員の多くが抱えている働き方の課題について、御社の事例を通して講師の鬼頭様から具体的な解決策を学ぶ機会になりました。コロナ渦で働き方が大きく変化する中、社員それぞれが我流で対応していましたが、クエストグループが目指す新しい働き方に対する共通のものさしを提示する機会になったのではないかと思います。

また副次的効果として、プレゼンテーションなど、Web会議における振る舞いを学んだ社員も多くいました。御社とご縁があったことを、心から嬉しく思っています。

ハイブリッドワークによって、働く場所や時間の選択肢が生まれました。一方で、情報共有やコミュニケーションに新たな問題が生まれました。しかし、環境変化を機会ととらえ、柔軟に対応することで、働き方に対するあり方が変わり、新たな環境でのチームワーク向上にもつながります。 

こうした講演を通して、みなさまが直面している課題に対し、具体的に工夫できるポイントを見つけられ、これからのチームワークを考えるきっかけにしていただけたら幸いです。