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チームワークが良い職場、そうではない職場の差が明らかに──サイボウズチームワーク総研が「グッドチーム」の要素を調査

企業や組織へチームワークや働き方改革のメソッドを提供するサイボウズ チームワーク総研は、職場のチームについての調査を行いました。

《 調査概要 》

  ◆目的:職場のチームの実態を把握すると同時に、
      チームワークがあるチームとそうではないチームの差異や傾向を探る。

  ◆対象:チーム働いている認識がある20代~50代ビジネスパーソン計1030名

      【内訳】チームリーダー(役職問わず):515名 / メンバー:515名

  ◆期間:2020年3月19日(金)~3月22日(日)

  ◆方法:インターネット調査



■ 職場におけるチームは、同部門内が最多。少人数でも年齢差あり。

まずは、ご自身が最も関与しているチームについて、その姿を聞きました。

●チーム構成は「同じ部門内でのチーム」が8割となりました。

●チーム人数は「5名以下」が4割、その多くを「4-5名」が占めました。次いで「6-10名」が3割となっています。

●チーム内の最年少者と最年長者の年齢差を聞いた質問では、「15歳差以上」が計6割となりました。「25歳差以上」のチームも1/4に達しました。

●チームリーダーがメンバーに対して人事評価をしている割合は4割程度でした。リーダーが必ずしも人事評価者であるとは限らないようです。



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■ チームの課題では「人手不足」「業務量の偏り」が上位。課題克服のキーマンはリーダー。

●チームの課題を聞いたところ、上位には「人手不足」「業務量の偏り」といった物理的側面の課題に続き、「受身体質」「言われたことしかしない」となりました。

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●また、課題を克服するのに最もキーとなる人について聞いたところ、過半数が「チームリーダー」と回答しました。

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■ リーダーがすべきことは「肯定的な言葉」「話しかけやすい雰囲気づくり」

●リーダーがすべきことは何かを聞くと「肯定的な言葉を多用」「話しかけやすい雰囲気づくり」「責任をとる覚悟」「信頼して任せる」が上位となりました。

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■ チームワークが良いかどうかで、チームへのエンゲージメントに大きな差

今回の調査では、サイボウズチームワーク総研のアセスメント指標を活用し、回答者のチームについてチームワークの状況を聞きました。

*アセスメント指標
以下の5要素を元に、当該チームのチームワークについて強み弱みを把握する指標になります。サイボウズチームワーク総研が独自に開発したものです。

  • チームの目指す方向への理解
  • メンバーの役割分担
  • チーム内コミュニケーション
  • 知識や経験など情報共有
  • 公明正大かどうか

そしてアセスメントスコアが高い4割を「グッドチーム」、低い6割を「これからチーム」とし傾向を見ました。



●人数やメンバー構成、メンバーの年齢差は、「グッドチーム」と「これからチーム」の間に大きな差は見られませんでした。

●しかし「チームへのエンゲージメント(働きやすさや愛着心等)」に関する質問では、両チームの差が顕著になりました。「今のチームは働きやすい」「業務効率が良い」といった生産性の部分だけではなく、「自分が貢献できていると感じる」「この先も今のチームで仕事を続けたい」「今のチームはやる気が湧く」「今のチームで幸せだ」といった項目で、明らかに「グッドチーム」が高い結果となりました。

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■ 「チームの課題」「リーダーの行い」にも、チームワークが良いかどうかで違いが

●チームの課題を見ると、「グッドチーム」では「人手不足」等の物理的なものを除けば、比較的スコアが小さくなっている一方、「これからチーム」では「モチベーションが低い」「受身体質」「上司部下の認識ギャップ」「本音を言いにくい」といったメンタルや風土に関わる項目が高くなっており、傾向の違いが見て取れました。

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●チームリーダーが実際に行っていることについても、差が見られました。「グッドチーム」のリーダーは「これからチーム」に比べ、全体的に高い結果となっています。

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●また「勤め先の社風」を聞いた質問では、「グッドチーム」では「風通しが良い」「仲が良い」等が、「これからチーム」では「古風」「本音で話しにくい」等が上位になりました。各チームの上位を見ると、スコア差が大きい項目が多く(スコア差が倍以上の項目に★)、ベースとしての風土にも違いがあることが伺えます。

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■ チームワークが職場にもたらす可能性

コロナ禍の影響もあり、在宅勤務やテレワークの導入など、働き方を変えた企業も多いことと思います。また、世の中の流れを鑑み、今後組織の在り方をどうしていこうか思案されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回、職場のチームの実態を見る中で、チームワークの良いチームとそうではないチームでは、その意識に大きな違いがあることが分かってきました。

そもそもチームワークがあるという事はどういう事でしょうか?サイボウズでは「理想に共感して集まったメンバーが、自立し、多様な個性を尊重しあい、チームで助け合いながら、公明正大に理想の実現を目指す」事としています。

エンゲージメントに関する回答傾向からは、チームワークが良いと高い成果につながっていることが伺えました。また「チームの課題」を聞いた質問では、チームワークの良いチームでは業務量や効率に関する項目が主であり、「モチベーションの低さ」や「受身」「本音を言いにくい」など、意識や風土面での懸念が少ない状況でもありました。

チームワークが良い環境をつくることは、チームにとってプラスの状況をもたらすと同時に、働く一人ひとりに対しても、周囲との関わり・承認・能力向上といった、働く上での基本的欲求を満たすことにつながっていく可能性が考えられます。

日本の企業・組織において、従来の働き方としては、一か所に全員が集まり同じ時間空間に身を置きながら働くというスタイルが中心でした。しかしこれからは、テレワークに代表される新しいスタイルが浸透していくものと見られます。時間空間が異なることにより、お互いに働く姿が見えにくい状況に、ともすると疑心暗鬼になったり、相手の意図が汲み切れなかったりする場面も出てくるかもしれません。

その時にメンバー一人ひとりが「このチームで働く意義」をハッキリと見出せる状況になっていることは、組織にとっても働く個人にとっても大きなメリットとなるのではないでしょうか。

またチームワークの良いチーム(グッドチーム)では、リーダーの皆さんが中心になり環境を整えている様子が伺えました。チームをまとめる上で、リーダーの動きが重要であることは間違いないでしょう。一方で、チームを動かすのはメンバー一人ひとりの力です。リーダーもメンバーも同じ理想に向かうチーム員として、お互いの意見を尊重し、力を出し合える環境へ高めていくことが大切です。


※引用について:
本調査を引用いただく際は出所の明示をお願いいたします。
例)サイボウズチームワーク総研「職場のチームに関する調査」



チームワーク総研では、会社・組織のチームワークに関する様々な情報を発信しています。ぜひ合わせてご覧ください。

オンラインで参加いただける各種セミナーも開催しています。よろしければご参加ください。

著者プロフィール

三宅 雪子

チームワーク総研研究員・編集員。組織におけるチームワークを探求。働く人の強み・魅力を引き出し、人と人との関わりをチームの生産性へつなぐ道すじを探る。