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チームとグループの違いとは―チームワークをよくしたいなら、まず「理想」を共有しよう


03_eyecatch.jpgサイボウズ チームワーク総研 コンテンツエディターの竹内です。

以前、中途採用の研修に参加したときのことです。人事部の中根弓佳は、私たちに向かって次のような話をしました。

「サイボウズは多様性を大切にしている会社ですが、一つだけ、多様性を認めていないことがあります」

「多様性を認めていない」という言葉に、一瞬「ドキッ!」としました。

中根は続けてこう言いました。

「それは『理想への共感』です。世の中には、優れたスキルを持った人たちがたくさんいます。けれども、どんなに優れたスキルがあっても、もし、サイボウズの理念に共感できないのなら、他の会社のほうが幸せなのかもしれないです」

この言葉を聞いて、「確かに、理想に共感できないなら、サイボウズにいないほうがいいのかも」と感じました。それだけ、「理想って大事なんだな」と、改めて思ったのです。

チームとグループの違いとは?

会社とは「人が集まった集団」ですが、集団を示す言葉に、英語では「グループ」と「チーム」があります。

グループの意味を辞書で調べてみると......

  1. 仲間。集団。「グループ旅行」
  2. 共通の性質で分類した、人や物の一団。群。
  3. 同系列に属する組織。「企業グループ」

という意味がありました。一方、チームには、

ある目的のために協力して行動するグループ。組。スポーツや共同作業についていわれる。

とありました。

この差は、一体何なのでしょうか。グループとチームの違いは、その集団に「理想があるか、ないか」と言えそうです。理想があるのが「チーム」、ないのが「グループ」です。

「理想があるチーム」とは?

例えば、サッカーやバレーボールなどのスポーツには「勝つ」という共通の理想(目標)があります。これは、チームですね。

また、会社もそうです。サイボウズの理念は「チームワークあふれる社会を創る」です。この理想は社員の共通認識です。これも、チームです。

一方で、私は以前、いくつか他の会社で働いていた経験がありますが、それらの中で理念を覚えている会社は一社のみです。しかも、覚えているのは、社内で試験があったから丸暗記しただけで、自分から好んで「理想に共感した」というわけではありませんでした。

もちろん、「売り上げ○億達成」みたいな目標はなくはありませんでしたが、そこに共感していたかというと......してはいませんでしたね。

そういう意味では、私がかつて所属していたのは「チーム」ではなく「グループ」だったのかもしれません。

チームワークをよくしたいなら、まず「理想」を共有するといいのかも

かつての私がそうだったように、多くの企業には理念があると思います。けれども、形骸化してはいないでしょうか。

サイボウズの社内では「理想」という言葉が本当によく出てきます。それだけ「理想」は大切にしている価値観です。

もし、チームワークをよくしたいと思うなら、コミュニケーションや団結力も大切かもしれませんが、「そもそも、共通の理想は何か」を改めて決めて、共有してみるといいのかもしれませんね。

まずは、身近なチームからでいいと思います。心の底からコミットできる「共通の理想」が見いだせれば、「グループ」が「チーム」に変わりはじめるのでしょうね。

著者プロフィール

竹内義晴

チームワーク総研とサイボウズ式編集部の兼務。新潟でNPO法人しごとのみらいを経営しながらサイボウズで複業しています。「2拠点ワーク」「週2日社員」「フルリモート」というこれからの働き方を実践しています。