チームとグループの違いとは―チームワークをよくしたいなら、まず「理想」を共有しよう
サイボウズ チームワーク総研 コンテンツエディターの竹内です。
以前、中途採用の研修に参加したときのことです。人事部の中根弓佳は、私たちに向かって次のような話をしました。
「サイボウズは多様性を大切にしている会社ですが、一つだけ、多様性を認めていないことがあります」
「多様性を認めていない」という言葉に、一瞬「ドキッ!」としました。
中根は続けてこう言いました。
「それは『理想への共感』です。世の中には、優れたスキルを持った人たちがたくさんいます。けれども、どんなに優れたスキルがあっても、もし、サイボウズの理念に共感できないのなら、他の会社のほうが幸せなのかもしれないです」
この言葉を聞いて、「確かに、理想に共感できないなら、サイボウズにいないほうがいいのかも」と感じました。それだけ、「理想って大事なんだな」と、改めて思ったのです。
チームとグループの違いとは?
会社とは「人が集まった集団」ですが、集団を示す言葉に、英語では「グループ」と「チーム」があります。
グループの意味を辞書で調べてみると......
- 仲間。集団。「グループ旅行」
- 共通の性質で分類した、人や物の一団。群。
- 同系列に属する組織。「企業グループ」
という意味がありました。一方、チームには、
ある目的のために協力して行動するグループ。組。スポーツや共同作業についていわれる。
とありました。
この差は、一体何なのでしょうか。グループとチームの違いは、その集団に「理想があるか、ないか」と言えそうです。理想があるのが「チーム」、ないのが「グループ」です。
「理想があるチーム」とは?
例えば、サッカーやバレーボールなどのスポーツには「勝つ」という共通の理想(目標)があります。これは、チームですね。
また、会社もそうです。サイボウズの理念は「チームワークあふれる社会を創る」です。この理想は社員の共通認識です。これも、チームです。
一方で、私は以前、いくつか他の会社で働いていた経験がありますが、それらの中で理念を覚えている会社は一社のみです。しかも、覚えているのは、社内で試験があったから丸暗記しただけで、自分から好んで「理想に共感した」というわけではありませんでした。
もちろん、「売り上げ○億達成」みたいな目標はなくはありませんでしたが、そこに共感していたかというと......してはいませんでしたね。
そういう意味では、私がかつて所属していたのは「チーム」ではなく「グループ」だったのかもしれません。
チームワークをよくしたいなら、まず「理想」を共有するといいのかも
かつての私がそうだったように、多くの企業には理念があると思います。けれども、形骸化してはいないでしょうか。
サイボウズの社内では「理想」という言葉が本当によく出てきます。それだけ「理想」は大切にしている価値観です。
もし、チームワークをよくしたいと思うなら、コミュニケーションや団結力も大切かもしれませんが、「そもそも、共通の理想は何か」を改めて決めて、共有してみるといいのかもしれませんね。
まずは、身近なチームからでいいと思います。心の底からコミットできる「共通の理想」が見いだせれば、「グループ」が「チーム」に変わりはじめるのでしょうね。
著者プロフィール
竹内義晴
チームワーク総研とサイボウズ式編集部の兼務。新潟でNPO法人しごとのみらいを経営しながらサイボウズで複業しています。「2拠点ワーク」「週2日社員」「フルリモート」というこれからの働き方を実践しています。