新成人の理想の働き方は、「通勤出社とテレワークどちらも」という ハイブリッドワークが7割
企業や組織へチームワークや働き方改革のメソッドを提供するサイボウズ チームワーク総研では、今年新成人になる学生400人を対象に「理想の働き方」についての調査を行いました。
《 調査概要 》
◆調査目的:近く社会人の仲間となる新成人の理想の働き方を知る
◆調査対象:令和3年度(2021.4.2 - 2022.4.1)に20歳になる学生 438名
※学生内訳:高校生・高専生, 専門学校生, 短大生, 大学生, 大学院生, その他学生を含む
*年齢 :19-20歳
*エリア :全国
*割付条件:男女を均等割付
◆調査期間:2021年12月3日(金)~12月6日(月)
◆調査方法:パネルを活用したインターネット調査
新成人の過半数は、現在オンライン授業を受けている
今年新成人になる学生は、コロナ禍での学生生活を経験しています。12月現在の授業形態を聞いたところ「対面授業のみ」は2割にとどまり、「どちらかというとオンライン授業が多い」は3割、「オンライン授業も対面授業も同程度」が2割弱となりました。感染状況が比較的落ちついている現在であっても、新成人になる学生の過半数は、オンラインでの授業を受けていることが分かります【図表1】。
新成人の理想の働き方は、「通勤出社とテレワークどちらも」というハイブリッドワークが7割
「社会人になったら、どのような働き方がしたいか」を尋ねた質問では「通勤とテレワークどちらも」と回答した人が7割を超えました。選択肢ごとにみると「日時は自分の裁量で選択」とした人が4割と最も多く、次いで「日時は会社の指示」が3割となっています。「通勤出社のみ」を理想の働き方とした新成人は2割に留まりました【図表2】。
また、「通勤出社のみ」と回答した7割は、「現在の授業形式」が「対面授業が多い」新成人でした【図表3】。授業形式が働き方の想像にも影響を及ぼしている可能性が伺えます。
「どちらかの働き方に固定されることへの不安」は、「通勤出社のみ」はコロナ感染、勤務の負担感、「テレワークのみ」はコミュニケーションの取りにくさ、コンディションを保てるか
理想の働き方について、「選択しなかった働き方への不安」を聞きました。 「通勤出社のみ」への不安については「感染不安」の他、効率面や体力面での「勤務への負担感」が見られました。「テレワークへの不安」については「コミュニケーション面での不安」と同時に、孤立ややる気といった「自身のコンディションへの不安」、「通信環境への不安」があがりました。また、「固定した働き方そのもの」については、効率面や有事対応の面で「柔軟な対応ができない不安」があがりました。
多くの新成人が、二者択一の固定された働き方に不安を感じており、自身が働く際には双方の良い点をバランスよく取り入れたいといった意識がうかがえます。【図表4】で代表的な意見を抜粋しました。
将来働きたい場所は、地元が人気
「どこで働きたいか」を聞いたところ、半数が「地元で」と回答、次いで「東京で」が3割となりました【図表5】。2018年12月に実施した前回調査と同傾向でした。
※前回調査の対象者は、学生に限らず社会人も含みます
理想の社会人像
理想の社会人像では、「父親」「母親」に次ぎ、「経営者/社長」「大谷翔平選手」となりました。大谷選手は前回調査9位からのランクアップです【図表6】。
※前回調査の対象者は、学生に限らず社会人も含みます
まとめ
今回の調査では、近い将来、社会人の仲間となる新成人に、理想の働き方について聞きました。「どのような働き方がしたいか」については、「通勤出社とテレワークどちらも」というハイブリッドワークが7割となり、中でも「日時は自分の裁量で選択」できることを望む学生が多いことがわかりました。コロナ禍を経験した学生が、固定された働き方を望まないことが明確になりました。
学校でオンライン授業を体験している新成人にとって、テレワークはすでに身近に感じられる手段であることが想像できます。テレワークへの不安の声からは、コミュニケーションの取りにくさや自身のコンディションに関するものなど、単なるイメージというよりはある程度の体験を経て感じているものであることがうかがえました。
新成人となる学生が社会人になる日は、そう遠くありません。通勤出社・テレワークそれぞれの不安要素がフォローされ、一人ひとりが力を発揮できる労働環境に出会えることを願いつつ、彼らを受け入れる現社会人には、柔軟な働き方への早急な対応が必要となります。
サイボウズ チームワーク総研では、テレワーク下のマネジメントをアップデートする「オンラインマネジメント研修」、テレワーク導入をご支援する「テレワーク定着支援コンサルティング」など、多様な働き方の中で個人の幸福度とチームの生産性両方を高めるための研修プログラムを、多数ご用意しています。 今後もチームやチームワークを考える一環として、様々な調査を行い発信してまいります。
※引用について
本調査を引用いただく際は出所の明示をお願いいたします。
例)サイボウズチームワーク総研「新成人の理想の働き方」についての意識調査
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著者プロフィール
三宅 雪子
チームワーク総研研究員・編集員。組織におけるチームワークを探求。働く人の強み・魅力を引き出し、人と人との関わりをチームの生産性へつなぐ道すじを探る。