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チームワーク研修

理想の風土の実現にむけて──セミナーで伝えた「意識と行動を変えるヒント」とは?

協和キリン株式会社

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バイオテクノロジーや抗体医薬を強みとする製薬会社、協和キリン様。医薬品の医療における価値を最大化するための業務(医療現場のニーズ把握、エビデンス創出等)を担っているメディカルアフェアーズ部にて、チームワーク研修を実施させていただきました。

協和キリンには、役員および従業員一人ひとりの行動の拠り所となる価値観があります。価値観の中心概念に「Commitment to Life(コミットメント・トゥ・ライフ)」があり、これをささえるキーワードのひとつに「チームワーク/和・輪」があります。

メディカルアフェアーズ部では、協和キリンの価値観に込められた考え方やありたい姿勢の体現にむけ、社外からの学びを得ることを目的に、弊社と研修のご縁をいただきました。

サイボウズには「チームワークあふれる社会をつくる」というパーパスがあります。この理想の姿を目指す過程で、トライ&エラーを重ねた多くの事例があり、社員一人ひとりの意識や行動を変えるノウハウを得てきました。

本研修の目的は「目指す姿に向け、部員1人ひとりが主体的に考え動くためのヒントを得ること」です。研修では、チームワーク総研 シニアコンサルタント松川隆が、サイボウズでの実体験や失敗からの学び、組織変革のポイントをお話しました。また、参加者同士で気づきの共有とディスカッションを行ないました。


「オープンなコミュニケーション」が、変化の土壌に

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研修は、松川の失敗談からはじまりました。

約10年前、サイボウズにキャリア入社した松川は、新入社員研修のプロジェクトリーダーとなります。当時の松川の価値観はこれまでの社会人経験に基づくものでしたが、よかれと放った「新人は昼休みも仕事を優先するべき」などの発言が、社内で共感を得られず大炎上となりました。

炎上の要因は、「一方的に松川の価値観を押しつけた」ことでした。自身にとって当たり前のことであったり、立場がリーダーであったりしても、価値観の一方的な押しつけは、共感を生まない。それどころか、当事者の自主性を阻害してしまいます。この体験を通じて松川は、「一方的な価値観の押し付けは、組織が進化する際のボトルネックになる危険性」があると感じたそうです。

なぜ松川は、炎上の要因に気づくことができたのでしょうか。それは、サイボウズの社内コミュニケーション方法がオープンに行われていることに起因します。

「オープンなコミュニケーション」とは、グループウェアなどを介したオンラインコミュニケーションです。テキストによるやり取りや資料などがリアルタイムで公開されるため、社員誰もが情報に触れることができます。結果、当事者ではなくても背景プロセスを理解できる、第三者の多様な視点を得られる、といった特長があります。

松川が得たものは、当事者ではない社員からの"一緒にやっている感じがしない""楽しくない"などの「フィードバック」であり、気づきでした。「フィードバック」の機会が無数に生まれることは、「オープンなコミュニケーション」の大きな利点であり、社員1人ひとりの変化の土壌になるというお話しをしました。

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「自分の価値観」は「チームの理想」につながるか

また、1人ひとりの意識と行動を変える上で欠かせない「わがまま」と「チームの理想」についてもお話をしました。

ここでいう「わがまま」とは、「1人ひとりが働く上で大切にしている価値観」のことです。「1人ひとりが働く際にかなえたい要望」ともいえます。決して、自己中心的にやりたい放題し、結果として周りの社員が苦しむことではありません。

「わがまま」が、本人だけの理想や、べき論の場合、周囲の共感を得られない可能性があります。「新人は昼休みも仕事を優先するべき」などの発言で、炎上を招いた松川の体験のとおりです。

周囲の共感を得てチームのプラスにつなげるためには、「わがまま」と「チームの理想」を常に一体で考え、両立させることが大切です。1人ひとりがどう両立できるかを考えることで、「チームの理想」への理解がさらに深まります。その結果、社員一人ひとりの主体性が高まることや、意識と行動を変える原動力がうまれることを、実践のポイントとあわせてお伝えしました。

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本研修には、協和キリン メディカルアフェアーズ部の方々が、およそ70名参加されました。オンライン形式のためチャットを併用したところ、100件近い質問や感想をいただき、参加者みなさまの意欲や関心が強く表出した時間となりました。


みなさまの感想

受講者の皆さまから、以下のような感想が寄せられました。

  • 質問責任・説明責任を意識したいと思った。
  • わがままを言ったことで、それが誰かにしわ寄せとならないようにしている点、またわがままを言った人も一緒に対応を検討するところが印象的。
  • 異なる目線と寛容の大切さを感じました。
  • 自立と組織の活性化は表裏一体であること。わがままは自己主張=責任の第一歩と思えたこと。
  • 柔軟な勤務姿勢や役割の在り方を各人に考えさせる風土作りは、上意下達的な社風とは違う価値観を感じた。
  • オープンでコミュニケーションをとると経過もわかるので腑に落ちる、腑に落ちると自然と行動できると思いました。考えさせる刺激を頂いた研修でした。
  • 様々な意見を聞くことに加えて、自己開示を進んで行い、垣根を超えて開放領域を広げていくことの意義を学び、今後の行動の参考になりました。

今回の研修を企画・担当された、協和キリン メディカルアフェアーズ部 ワーキングチーム様からいただいたコメントです。


私たちの部署(メディカルアフェアーズ部)は、組織をより良い方向に向かうべく、いくつかのワーキングチームで活動を行っております。私たちのワーキングチームでは、部内の皆さんの活性化を図るための活動を行ってきました。どうやったらより良いチームを築き上げるか、どうやったらコミュニケーションを向上できるか等を検討しております。そんな中、業態も会社の成り立ちも異なるサイボウズさんの事例や失敗談・体験談を聞いて、自分たちの組織を考える"きっかけ"としたく、今回の講演を依頼しました。

松川様の講義は大変興味深く、同時並行でチャットも活発に利用するなどして、とても引き寄せられる内容でした。研修後は部内でも多くの好評のコメントを頂き、参加頂いた多くの方によいきっかけになったと思いました。今後は気づきや学んだ点等をどのように継続していくかを考え、より良い職場のために活動していきたいと考えています。


本研修は「目指す姿に向け、部員1人ひとりが主体的に考え動くためのヒントを得ること」を目的に行われました。そして皆さまの感想として、様々な気づきがあったことを共有いただきました。ご自分たちの手で職場を良くしようと、積極的に学びを深められている姿が印象的でした。

サイボウズ チームワーク総研では、社員の意識改革や風土改革に関する講演や研修、コンサルティングを実施しています。自社の改革推進を図る際の、お役に立てれば幸いです。