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やりたくない仕事問題、どうする?――部下のやる気を引き出す2つの視点

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日々の業務には、様々な仕事がありますね。マネージャーの方々は、誰にどの仕事を割り振るか、いろいろと考慮されていることと思います。

しかし、担当となった部下の方々の受け取り方・心の内はさまざまかもしれません。やる気をもって前向きに取り組める場合もあれば、やる気を見出せず、なかなか良い形でアウトプットを出せない場合もありそうです。

そこで、この記事では、「やりたくない仕事」を部下がもてあましているときの、サポート方法について考えます。

誰にでもある「やりたくない仕事」

部下にとって、上司から振られた仕事は、なかなか表立って「やりたくない」とは言いにくいものです。また、仕事をやりたくないと感じるのは、必ずしも悪いわけではありません。多くの働く人にとって、ひとつやふたつはあるものです。

そのことに、上司が気づくには、「業務の進捗が遅い」「報連相が少ない」「前向きな発言が少ない」「他の案件に力を入れる」「時に不安や愚痴を耳にする」など、いくつかのサインがありそうです。

そのようなサインを感じた時は、「もしかしたら、やりたくない仕事なのかもしれない」と、一旦心の中でうけとめてみませんか。部下のそうした気持ちに寄り添うことは、信頼関係を高める上でも有効です。

一方で、仕事を依頼したということは、ビジネスやチーム運営のために誰かがしないといけない案件であることも事実です。進める以上は、いやいや感がくすぶらないように、また、本人にとってプラスの経験となるようにしたいところですね。

では、モチベーションをサポートするには、どのような方法があるのでしょうか。

仕事の意義に働きかける

やりたくない仕事、という意識は、どこから生まれてくるのでしょうか。その業務のおかれた状況や、本人の価値観など、様々な要素が影響しケースバイケースとは思いますが、いくつかモチベーションが下がる要因を挙げてみます。

1. 物理的に煩雑・手がかかる
2. 内容が高度・難しい
3. 人間関係など、業務特有の不安要素がある
4. 好きではない・苦手なテーマ
5. 本人がやりたいことと異なる
6. 本人が自分の得にならないと思っている etc

1~3は、あなたや他メンバーがフォローできるものかもしれません。4~6の場合は、本人のモチベーションに働きかけていきたいところです。

モチベーションに働きかける1つ目の方法は、「その仕事の意義を話し合ってみる」です。「3人のレンガ職人」の話をご紹介します。聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。

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ある旅人が道を歩いていると、一人のレンガ職人がレンガを積んでいるところに出会った。旅人が「あなたは、何をしているのですか?」と尋ねると、レンガ職人は、「見ればわかるだろう。親方の指示で、レンガを積んでいるのだ」と答えた。

旅人が歩いていくと、別のレンガ職人に出会った。また、「何をしているのですか?」と尋ねると、二人目のレンガ職人は、「レンガで壁を作っているのさ。家族を養うために」と答えた。

旅人がさらに歩いていくと、また別のレンガ職人に出会った。また、「何をしているのですか?」と尋ねると、三人目のレンガ職人は、「皆が集まる教会を作っているのさ」と、目を輝かせながら答えた。

出典:三人のレンガ職人の寓話~今、改めて仕事の意義を考える~
しこうさくごby日本能率協会

この話で3人が行っているのは、「レンガを積む」という同じ行動です。でも、仕事の意義については、三者三様のとらえ方をしています。あなたはマネージャーとして、部下の方にどんなことを期待して、仕事を依頼したのでしょうか。もしかするとその部分がうまく伝わっておらず、一人目の職人のように「やれと言われたからする仕事」になっているのかもしれません。

仕事の意義について、いま一度、思うところを伝えてみるのはいかがでしょうか。

未来のやりたい仕事は、今のできることから生まれる(モチベーション創造メソッド)

2つ目の方法は、業務ミッションという視点ではなく、部下の育成にウエイトをおきます。サイボウズの「モチベーション創造メソッド」を使うと、部下の「やる気の琴線」をさがすことができます。

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モチベーション創造メソッドは、「やるべきこと」「できること」「やりたいこと」の3点セットの重なりを増やしていくことで、モチベーションを自分でコントロールする方法です。

部下に仕事を依頼する時は、部下の「できること」(長所やスキル)をふまえて依頼することが多いでしょう。そこで、まずは部下に「できると認めていること」を、伝えてみるのはどうでしょうか。「できること」を認識することで、部下のやる気につながる可能性があります。

また、「やるべきこと」をしていると「できること」が増え、ふたつの重なりが広がります。さらに、「できること」が増えると選択肢や自信が増え、「やりたいこと」の広がりにつながるのです。

現時点では、やりたくない仕事でも、将来的に部下の可能性を拡げる要素についても時に話し合い、未来を意識させるのも一考です。

詳しくは、モチベーション創造メソッドとは?――「やる気」のセルフコントロールをご覧ください。

まとめ

やりたくない仕事は、誰にでもあるものです。しかし、その仕事の意義や、部下の強み、未来への視点を共有することで、「やってもいい仕事」「やりたい仕事」に変化するかもしれません。

こうした周辺情報(直接の業務内容ではない)の話し合い・共有は、業務のアウトプットにも、部下のモチベーションにもプラスとなる、大切なことなのです。


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著者プロフィール

三宅 雪子

チームワーク総研研究員・編集員。組織におけるチームワークを探求。働く人の強み・魅力を引き出し、人と人との関わりをチームの生産性へつなぐ道すじを探る。