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「それはサイボウズさんだからで、うちは無理」と思ったときの小さな一歩の踏み出し方

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チームワーク総研の竹内義晴です。

先日、チームワーク総研アドバイザー 松川 隆 と話していたときのことです。松川は、次のように言いました。

講演では「大切なことはシンプルだ」と言っているんです。力説するんですが、「それはサイボウズさんだから」「IT企業だから」「うちは無理」という感想をもらうことが多くて......。

セミナーや研修ではアンケートをいただいております。「刺激になった」「よい学びになった」などの声を多くいただく一方で、「それはサイボウズさんだからできることで、うちの会社では無理ですよ」との声も少なからずあります。

自社のことを想像したとき、今までの経験上、「サイボウズのようにできたらいいけれど、実際問題、うちでは無理だよな」......つい、このような気持ちがわいてくるのも、仕方のないことなのかもしれません。

でも、「何かを変えなければ、何も変わらない」というのもまた、事実でしょう。そこで、この記事では、チームをよくするための「小さな一歩」の踏み出し方についてみていきます。

そもそも「会社」「組織」という大きな石はあるのか

何が「うちの会社は無理」と思わせてしまうのか......。ひょっとしたら、それは、何かとてつもなく「大きいもの」や「重いもの」を動かす感じがするからなのかもしれません。たとえば、「大きくて、重い石」を動かすのは、大きな力が必要ですよね。大変です。

ところで、「大きくて、重い石」と思っている会社や組織は、そもそも実在しているのでしょうか。

サイボウズ代表取締役社長の青野慶久は、著書『会社というモンスターが僕たちを不幸にしているのかもしれない』の中で、「そもそも会社は存在しない?」と言っています。

私たちは「カイシャのために」と思って、日々頑張って働いています。
しかし、カイシャはそもそも実体がない。そんな実在しないものに対して「カイシャのために頑張ります!」と言っているわけで、考えてみれば、おかしな話ですね。
では、私たちは誰のために働いているのでしょう。実際には、「お客様のため」であったり、「一緒に働く仲間のため」であったり、「次の世代の人たちのため」だったり、「自分のため」だったり。カイシャではなく、もっと別のいろいろなもののために頑張っているはずです。

そうです。本来「カイシャ」は実在しないのです。

「うちは無理」と考えたくなる理由

では、「カイシャ」は実在しないのに、なぜ「うちは無理」と考えたくなるのでしょうか。それには、いくつかの理由があるような気がします。

  • 100人100通りの多様性を受け入れるなんて無理っぽい
  • 人事も経営陣も、社員を「同じ枠組み」の中に入れようと躍起になっている
  • 制度はいつも上で決まって、あとから降ってくるだけ。自分ひとりで制度を作るなんて無理
  • 「○○をやってほしい」「○○をやりたい」と手を挙げたら、責任を負わされてしまう。むしろ、「めんどくさい奴」とレッテルをはられて損をするだけ
  • 仕事は上から降ってくるもの。下の者は上の指示なく動いてはいけない
  • 組織が何層にもなっているから、上に何かを言っても動いてくれない。許可してくれない。一般社員が何を言っても無駄
  • そもそも風通しが悪いから、オープンな議論などできない

他にもあるかもしれませんが、こういった状況に対し、私たちは「うちのカイシャでは無理」と表現しています。

繰り返しになりますが、「カイシャ」は実在していません。そこにいるのは「上司」であり、「周りの同僚」です。もし、目の前にあるのが「カイシャ」という大きな石でなかったら動かしやすいはず。「一緒に働く仲間のため」や「あなた自身のため」に、自分でもできる「小さな一歩」を踏み出したいものですね。

「小さな一歩」を踏み出すために

この記事をお読みだということは、きっと、どこかしらで、「もっと働きやすい会社にできたらいいな」「もし、自分に何かできることがあるとしたら、それは一体なんだろう?」......そんな「理想」をお持ちなのではないでしょうか。

では、何から始めたらいいのでしょうか。チームワーク総研アドバイザー なかむらアサミ は、研修やセミナーで、よくこう伝えるといいます。

まずはあなたがいるチームで、「うちでもやってみたいな」と思ったことをやってみてください。隣の人に話して反応をみてください。すると、共感してくれる人が一人ぐらいはいると思います。まずは、共感してくれる人を増やしてください。共感してくれる人が増えたら、チームや有志でやってみてください。

例えば、チームワーク総研の議論を生む風土づくりコースでは、「問題解決メソッド」という、チームの問題を整理し、課題設定をする方法をお知らせしています。問題解決メソッドとは、社内で起こるさまざまな問題を、「"事実"と"解釈"、"理想"と"現実"に分けて議論する」という、議論を円滑に進めるためのメソッドです。

このコースをお受けになったメソッドを、「全社に広めよう」とした場合、かなりハードルが高いとお感じになるでしょう。

けれども、隣の同僚に問いかけたり、一緒に考えたりすることなら、できるかもしれません。

例えば、職場で「報告・連絡・相談が悪い」のような問題があったとき、まずは、隣の同僚と「報告・連絡・相談が悪いっていうけど、事実はどうなっているんだろうね」「報告・連絡・相談が悪いっていうけど、理想は一体どんな状態なんだろう?」のように話すことなら、それほどハードルが高くありません。また、研修コースで習ったことを、「こんなことを学んできたよ」と、隣の同僚に伝えるだけでもいいかもしれません。

まずは、自分の周りで無理なくできそうな「小さな一歩」を踏み出してみませんか。

どんなチームも最初は「小さな一歩」だった

実際、サイボウズもそうでした。

今でこそ、「100人100通りの働き方」のような風土や、それを可能にする制度がありますが、10年前は何もありませんでした。

離職率が28%だった当時、改革に乗り出した取締役副社長 山田 理が最初に取り組んだのは、「一人ひとりの話を聞くこと」だったといいます。当時、社員は100名ほど。スケジュールはそれで埋まったそうです。

この話に、「それは、副社長だからできたんだ」「トップが変えようとしたから変わったんだ」「うちでは無理」と思うかもしれません。

それでも、サイボウズが変わり始めた最初の一歩は、「話を聞く」という、だれもができそうな、とてもシンプルなことだったのです。

あなたにも、小さな一歩を踏み出せる「何か」がきっとあるはず。それが、周りへと広がっていき、結果的には「チームワークあふれる会社」になっていくと思うのです。

著者プロフィール

竹内義晴

チームワーク総研とサイボウズ式編集部の兼務。新潟でNPO法人しごとのみらいを経営しながらサイボウズで複業しています。コミュニケーションの専門家。

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