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職場の問題を解決するシンプルなコミュニケーション4つのステップ

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もし、あなたが管理職で、職場のコミュニケーションや、仕事の進め方について、何かしらの問題を抱えていたら、それを解決したいと願っていると思います。

もし、あなたが、人事や人材育成に携わっていたら、各マネージャーから上がってくる職場の課題に対して、「会社としてなんとかしたい」と思われるのではないでしょうか。

しかし、その思いとは裏腹に、職場の問題は「こうすれば、解決できますよ」というほど簡単なものばかりではありません。その結果、職場の雰囲気が悪くなったり、つい、責め立てるようなコミュニケーションになってしまいがちです。

実は、職場の問題を解決するためには、「問題を解決するシンプルなステップ」があります。この、「問題解決のステップ」でコミュニケーションをすると、前向きな形で職場の問題に向き合うことができます。

そこで、この記事では、サイボウズが社内における問題を解決するときに、共通の考え方として使っている「問題解決メソッド」を用いながら、職場の問題を解決するシンプルな4つのステップについて紹介します。

※問題解決メソッドの詳しい内容は、「問題解決メソッド」とは?――会社の問題を解決する議論のフレームワークを合わせてごらんください。

ステップ1:現実(現状)を明確にする

ステップ1は「現実(現状)を明確にする」です。

ところで、なぜ、現状を明確にする必要があるのでしょうか。それは、問題を議論するときに起こる食い違いの多くは、起こっている出来事の「事実に基づいた情報共有ができていない」からです。

たとえば、職場の問題の代表的なものの1つに「コミュニケーションが悪い」があります。あなたの職場でも、「コミュニケーションが悪いよね」「そうだよね」といった会話が良く行われていませんか?

けれども、なんとなく「コミュニケーションが悪い」という会話はしても、「具体的には、何が悪いのか」「なぜ、悪いと感じているのか」「悪いことによって、どのようなことが起こっているのか」といった、具体的な議論をすることはあまりありません。

また、「コミュニケーションが悪い」というのは、ある人が感じている解釈であり、それが事実かどうかは分かりません。

それぞれの人が感じている「コミュニケーションが悪い」「いや、悪くない」といった解釈で議論をしても、事実ベースで議論しなければ実際のところが分かりません。また、現状の認識があいまいなまま、「じゃあ、飲みニケーションでもしましょうか」「イベントしましょうか」といった解決策を考えても、問題は解決できません。

そこで、職場の問題を解決するためには、「現状を明確にする」必要があるのです。

現状を明確にするためには、「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「どのように」といった4W1Hの質問を使うと、問題を具体化、事実化できます。

たとえば、「コミュニケーションが悪い」というぼんやりしたテーマでなんとなく話し合うよりも、「メンバーのうち、5割の人が報告や連絡をしてこない」のように具体化したほうが、共通認識を図りやすくなります。

もし、現状を数字で表せるようなら、「回数」など具体的な数字で表すと、共通認識がさらに図りやすくなります。

ステップ2:理想を明確にする

ステップ2は「理想を明確にする」です。理想を明確にするとは、「本当は、こんな風になったらいいのにね」という理想を、みんなで共有することです。

何かしらの問題が発生しているとき、一般的には「問題」や、その「原因」に目が向きます。そのため、「どのような状態が理想なのか」ということには、あまり目が向きません。

けれども、目の前の物事に対して「問題だ」と思うということは、その裏側には何かしらの「本当は、こんな風になったらいいのにね」という理想があるはずです。

そこで、理想について考え、共有します。

たとえば、「コミュニケーションが悪い」という問題ならば、「コミュニケーションがよい状態」を具体的に考えてみます。「なんでも気軽に話し合える」「1on1ミーティングが毎週行われている」など、さまざまな理想があるはずです。

ステップ1の「現状を明確にする」と同様、理想も4W1Hの視点で、できるだけ具体的にするのがポイントです。数字で表せるものは数値化してみましょう。

ステップ3:現状と理想のギャップを埋める行動(Next Action)を明確にする

ステップ3は、「現状と理想のギャップを埋める行動(Next Action)を明確にする」です。

問題を解決するためには、理想と現実のギャップ(問題)を、何かしらの方法で縮める必要があります。サイボウズでは、理想と現実のギャップを埋める行動を「Next Action(課題)」と呼んでいます。

Next Actionを設定するときのポイントは、「誰が、何を、いつまでにやるのか」を具体的にすることです。具体的に設定することで行動に繋げやすくなり、問題を解決することができます。できるだけ「自分」のNext Actionで、自分が「できること」を設定しましょう。

ステップ4:Next Actionの優先順位を決め、行動する

ステップ4は、「Next Action(課題)の優先順位を決め、行動する」です。

ステップ3で、理想と現実のギャップを埋めるNext Actionがいくつか出てきたら、その中で、優先順位を決め、行動します。

ハードルが高すぎると、なかなか行動に移せないものです。もし、「ハードルが高い」と感じるようなら、「〇〇をインターネットで調べる」「会議を設定する」など、Next Actionを小さな単位に分解し、負担にならない行動まで落とし込みます。Next Actionはできるだけ小さく、具体的にすると、次の行動につなげやすくなります。

まとめ

ここまで、問題を解決するときに、サイボウズ社内で共通の考え方として使ってる「問題解決メソッド」を用いながら、職場の問題を解決するシンプルな4つのステップについて紹介してきました。

さまざまな人が集い、仕事をしているのが職場です。それだけに、多かれ少なかれ問題は起きます。時には、突発的なものもあるでしょう。

しかし、問題をそのままにしておけば、いずれ大きな問題に発展しかねません。

それを防ぐ上でも、「現状はどうか?」「理想は何か?」「Next Action(課題)は何か?」「何からはじめるか?」の4つのステップを使って話し合えば、共通認識を図りやすくなります。

この中でも「理想は何か?」は、普段あまり考えることがありません。理想を明確にすることで、改めて問題が浮き彫りになり、Next Actionの設定や、行動の優先順位を決める際に役立ちます。

職場の問題を解決する際に、参考にしていただければ幸いです。


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著者プロフィール

竹内義晴

チームワーク総研とサイボウズ式編集部の兼務。新潟でNPO法人しごとのみらいを経営しながらサイボウズで複業しています。「2拠点ワーク」「週2日社員」「フルリモート」というこれからの働き方を実践しています。