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「わがまま」を引き出すから、競争力がつくんです―チームワーク経営塾にかける想いをサイボウズ青野に聞いてみた(2)

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サイボウズの経営陣が「サイボウズ流チームワーク経営」を直接お伝えするサイボウズ チームワーク経営塾が始まります。こちらのインタビュー動画では、チームワーク経営塾に対する想いを、サイボウズ代表取締役社長 青野慶久に聞きました。ご覧頂きましたか?

この記事では、インタビュー動画には収録できなかった内容も含めて、経営塾に対する青野の想いを公開します。今回は「離職率28%時代のサイボウズ」と「どうすれば会社を変えることができるのか」について。1回目のツールだけで会社が良くなるなんて、甘い話はなかった―チームワーク経営塾にかける想いをサイボウズ青野に聞いてみた(1)と合わせてご覧ください。

離職率が28%のとき、どんな状況だったのか

Q:サイボウズの取り組みで、必ず出てくる話に離職率28%の時代がありますが、当時は、どのような状況だったんですか?

サイボウズの2005年の離職率は28%、4人に1人は「1年後いない」という状況でした。どんどん採用するけど、どんどんやめていくという会社でしたね。

Q:今のサイボウズだけを見ると、「うまくいってる」と思われますが、以前は、今お困りの会社のみなさんと一緒だったんですね。

そうですよ。むしろ、28%の離職率はかえって悪いくらい。そんな会社ですから、採用するのも大変でしたし、採用しても定着しなかったんです。どれくらいの社員がモチベーション高く働いていたか怪しいし、今から考えるとひどかったですよね。

Q:そういう会社さんは多いかもしれませんね。

今、多くの企業では人手不足で採用が難しくなっています。「採用しても定着しない」「ほかの会社に転職しちゃう」など、人材の定着が重要な経営課題になっています。

サイボウズ自身も、28%の離職率があって、採用すればするほどやめていく......こんな会社だったのを、なんとか離職率を下げ、その過程で、人気のある会社にして、採用力もあげていくことができた。このノウハウは、企業のみなさんにはすごく役に立つノウハウだと思います。

採用力と定着力を上げる――これを、経営塾で学んでいただきたいなと思っています。

「わがまま」を引き出して「人が定着する会社」を創る

Q:今のサイボウズを、青野さんはどのような会社だと見ていますか?

一番危機的なところを脱して、なんとか生き残れて、少しずつ注目頂けるようになってきました。もっと社会を楽しく出来る可能性のある集団に変わってきたなという実感があります。

Q:社員のことはどう見えていますか?

「人によってそれぞれ」ですね。ただ、全体感でいうと、一人ひとりの個性が出てきて面白いなと思います。自分の人生をどう楽しいものにしようかを考えて、その道具として会社を使う人が増えてきた気がしますね。

自分らしさを出してもらえる組織を創れるっていうのが、たぶん、今までの価値観の経営者からすると「意味がわからん」っていうことだと思うんですよ。会社にきて、仕事をして結果を出すのに、「自分らしさって、なんだよ」っていうね。特に日本は、一律であることが求められてきた社会ですよね。

その価値観を「わがままでいい」にしたいと思っています。

一人ひとりの「わがまま」を引き出して、いかに「人が定着する会社」を創るか――答えを言ってしまうと、これが、サイボウズがやってきたことなんです。

Q:でも、みんなわがままだと、大変なことになりそうです。

講演でもよく、「みんなの自由にさせていたら、わがままを言う人がいるじゃないですか」って質問されるんですよ。わがままは悪いことだって思っているんですね。

むしろ、「わがままを引き出すから、競争力がつく」んです。それがつかめると会社の見え方が変わってくると思うんですよね。

「タグボートみたいな会社」を創りたい

Q:この考え方、普及するでしょうか?

普及には時間がかかると思います。わがままを引きだして成功する会社が1社、2社、3社と増えてきて、「あ、あれでいいんだ」っていう風にみんなが思ってきて、ようやく社会が大きく動くと思うんですよね。それには時間がかかると思います。

でも、そういう会社を、この経営塾から1社でも創り出したいですよね。大きな船をけん引する小さな船を「タグボート」って言うんですけど、タグボートみたいな会社を、経営塾に参加いただいたみなさんと一緒に創り出したいなって思いますね。

Q:サイボウズ1社ではなく、経営塾に来て下さった会社さんと一緒にひっぱっていくみたいな感じですね

そう。仲間を創るんです。僕たちの力だけでは社会を動かせませんが、この経営塾に参加いただいたみなさんとなら社会を動かせるはず。一緒にひっぱってくれる会社を生み出したいですよね。

幸福度と生産性―これからの経営で大切なこと

Q:今までの企業経営では難しいこと、これからの経営で大切だと思うことはありますか?

経営者って、生産性をあげたいなって考えていると思うんです。その気持ちは私も同じなのでよく分かります。でも、生産性をあげるために今の時代、「何をしなければいけないのか」を考えた方がいいと思うんですよ。

「もっと長い時間働け」とか、「集中して働け」とか、気持ちは分かるんだけど、結局、そこで作り出せる生産性の向上はたかが知れています。飛躍的に生産性をあげようと思ったら、もっとダイナミックに仕事のやり方を変えていかないと、見直さないといけない。

Q:今までとはやり方を変える必要があると。

それをするためには、自分のアイデアだけでは絶対にできない。自分が万能でない限り、自分からいっぱいアイデアは出てこない。みんなにいっぱいアイデアを出してもらわないといけない。一人ひとりが持っている個性とか、アイデアとか、人脈とか、ひらめきとか。ここに注目していくこと――これが、生産性の本質的な向上につながります。

これは、生産性の向上にもつながるけれども、引き出してもらった社員からすると、めちゃ楽しい会社になる。自分が自分らしくいられて、自分のアイデアが業務に反映されて、とてもワクワクする場所になる。

幸福度と生産性は相反するものではなく一致するんです。本当に生産性をあげようとしたら、幸福度をしっかりあげないといけないんだっていうのが、私が今思っていることです。

言い訳に向き合い、会社を変える

Q:「それはサイボウズさんだからできること」「うちは、ちょっと人数多いから無理だなー」と思う人もいるのではないですか?

よく言われるんですよね、「サイボウズさんだから出来るんでしょ」って。「サイボウズさんの規模だといいけど、うちは大きいからなぁ」とか、「歴史があるからなぁ」とか、「業種が違うから」とか、「ITじゃないから」とか、そういう、言い訳をしている会社はなかなか変われないかもしれないですね。

参加されている企業さんも言い訳したくなるかもしれませんけどね。その言い訳に向き合って欲しいですね。「いや、これは言い訳だ」と、「自分たちの会社も出来るんだ」と。

Q:どの会社もできると。

経営塾でね、覚悟を決めてほしいんですよ。

これから従業員の皆さんと接していただくときに「どういう気持ちで接していくのか」という腹の決め方を、ぜひ一緒に会得して、明日から使えるノウハウとして持ち帰っていただきたいと思いますね。

私たちが提供するこのメソッドは、業種や業界は関係ないですし、規模にも関係ありません。実際、私たちのお客さんの中でも、地方の小さい会社で変わった事例もありますし、大企業でしっかり取り組もうとしている事例もあります。

トップがしっかりとコミットしてくれて、現場がそれを共感できれば、どの会社でも変えることができる本質的なメソッドだと思っています。

Q:最後に、経営者の方へ一言お願いします。

そうですね。「ぜひ参加してください」とか、安っぽいことはあまり言いたくないんです。だって、参加したら大変ですよ。「覚悟を決めろ」っていうわけですから。この、会社のカルチャーを変えるのに、命をかけるつもりで取り組めっていうわけですから、軽い気持ちで参加してほしいとは言いたくないです。

ただ、もしこの壁を乗り越えてくれたら、本当にいい会社を創れると思います。人生で大きな喜びを感じられるような経験が出来ると思いますからね。そこは信じて参加してくれると嬉しいです。

インタビュー:三木佳世子

著者プロフィール

竹内義晴

チームワーク総研とサイボウズ式編集部の兼務。新潟でNPO法人しごとのみらいを経営しながらサイボウズで複業しています。コミュニケーションの専門家。

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