「言葉の意味」を再定義。チームワークについて探求しています
以前、サイボウズ流チームワークとは「理想を達成するために役割分担し協働すること」という記事で、サイボウズ流チームワークの定義についてお話しました。
この記事では、サイボウズにおけるチームワークの定義を
チームのメンバーが、目標(理想)を達成するために役割を分担し協働すること
をお伝えしました。
この定義は、この数年来、社内やお客様の研修でお伝えしてきた定義なのですが......実は、現在、この定義の見直しを行っています。
そもそも「定義」は変えるものなのか
なぜ、定義を見直しているかといいますと、「チームとは何か」「チームワークとは何か」について、さらに深く、探求したいと考えているからです。
「定義」とは、物事の意味や内容を、他と区別できるように、「○○とは、こういうものだ」のように言葉で明確に設定することです。この意味に沿えば、「言葉の定義」は、それほど頻繁に変えるものではない、むしろ、いけないのかもしれません。
けれども、広辞苑などのような辞書でも、時代や社会の変化によってその内容を改訂していくように、言葉の定義も変えていったほうがいいのではないかと、私たちは考えています。
というより、サイボウズの(現在の)理念は「チームワークあふれる社会を創る」ですが、私たちは「理念すらも変えていい」としています。
代表取締役副社長の山田理は、会社の果たすべき責任は、会社がなくなっても個人が生きていけるようにすること──誰もが「働きたくなる会社」は存在しない(サイボウズ式)の中で、次のように言っています。
世界一を目指してつぶれる会社なんてごまんとありますから。今までのやり方で会社がつぶれる可能性があるのなら、理念にしがみつかず、理念そのものを変えていったっていいと思います。
侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論
しかしながら、「言葉の定義を変える」というのは、なかなか面倒な作業です。
なぜなら、言葉が意味するところの「そもそも」を考える必要がありますし、「チームとは、○○である」の、微妙な「ニュアンスの違い」を、すり合わせていく必要があるからです。
みんなで「うん、これだね」と共通認識が得られるまで、侃侃諤諤(かんかんがくがく=遠慮せず正しいと信じる意見を主張し合うこと。盛んに議論すること)な議論を繰り返しています。
新しい「チーム」の定義は?
「チームとは?」「チームワークとは?」「チームワークが良い状態ってなんなの?」......話し合いの中で、これらの定義はまとまりつつあります。
「理想」「共感」「つながり」「多様な個性」......このあたりがキーワードになりそうです。
会社の風土や制度、ツールは時代や社会の状況によって変化するもの。私たちも日々、変化していきたいと思っています。
文・編集:竹内義晴
著者プロフィール
竹内義晴
チームワーク総研とサイボウズ式編集部の兼務。新潟でNPO法人しごとのみらいを経営しながらサイボウズで複業しています。「2拠点ワーク」「週2日社員」「フルリモート」というこれからの働き方を実践しています。