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2022年の仕事面を表す漢字1位は「苦」、2023年の仕事面の展望は「明るい」56%

企業・組織のチームワークや、自律型組織づくりを支援するサイボウズチームワーク総研では、東京都勤務のビジネスパーソン3,000人を対象に「2022年の労働観」についての調査を行いました。

《 調査概要 》

◆調査目的:ビジネスパーソンにとって、2022年は労働面でどのような年だったのかを知る

◆調査対象:ビジネスパーソン3,000名
・東京都勤務の25-64歳正社員
 *割付条件:就業実態に寄せるため、男女/年代/勤務先の従業員数で割付 
  - 総務省統計局「平成3年労働力調査」「平成28年経済センサス-活動調査」参照

◆調査期間:2022年11月1日(火)~7日(月)
◆調査方法:パネルを活用したインターネット調査


2022年の仕事面を表す漢字ランキング、1位は「苦」

2022年は仕事面でどんな年だったのかについて、漢字1字できいたところ、1位「苦」、2位「忙」、3位「変」となりました。理由として、1位「苦」では仕事が増えた事や仕事内容のキツさ、給与が上がらない等が、2位「忙」では、仕事や残業が増えた事や人手不足が上がり、ともに、コロナ禍に起因する回答もみられました【図表1】。

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「財布のひも」は、1年前と比べて「かたくなった」約3割
給与の使い途では「飲み会」の支出が「減った」

1年前と比べて、財布のひもに変化があったかどうかを聞いたところ、「変わらない」とした人が最多の62%を示す一方、「かたくなった」とした人は28%となりました【図表2】。

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また、給与の使い途ごとに、1年前と比べた使用金額の変化をききました。今回聴取した「貯蓄・投資」「学び・自己投資」「ランチ(休日を除く勤務日)」「飲み会(休日を除く勤務日)」の4項目すべてで「変わらない」が最多となりつつも、「貯蓄・投資」では「増えた」28.5%、「ランチ」「飲み会」では「減った」とする人が30%を超える結果となりました。【図表3】。

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健康対策、コロナ対策以外では遅れ

仕事や仕事に取り組むにあたっての健康対策について、「必要だと思うこと」「今年したこと」をきき、両スコアの差をみました。「うがい・手洗いの徹底」「換気」といったコロナ対策では両スコアの差は10%未満で、必要と思う意識と行動が比較的近くなりました。一方、「体を動かす」「精神的ストレスの解消」といったコロナ対策以外の項目は、おおむね20%前後の開きとなり、「必要だけれどやれていない」といった状況が見られました【図表4】。

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今年した働き方は「在宅勤務」以外低調
来年したい働き方では「副業」「週休3日」「ワーケーション」で10%以上上昇

働き方について、「今年したもの」「来年したいもの」を、それぞれ選択肢から選んでいただきました。今年した働き方では、「在宅勤務」が47%と突出している他は、10%以下に留まりました。しかし「来年したい働き方」と比較すると、「在宅勤務」は7%下落したものの、「副業」「週休3日」「ワーケーション」では10%以上の上昇がみられました【図表5】。10%以上の上昇がみられた働き方を年代別にみると、若い層ほど「来年したい」人が増す結果となりました【図表6】。

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2023年は、仕事面で「明るい」年になりそう56%

仕事面で、2023年はどんな年になりそうかについてきいたところ、「明るい」とした人は55.8%、「暗い」とした人は44.2%となりました。「明るい」「暗い」それぞれの理由を見ると、「明るい」では、仕事の安定や職場環境の良さの他、「希望をこめて」といった意見が一定数あがりました。「暗い」では、給料や業績の悪さ、先行き不透明感があがりました【図表7】。

※選択肢は、1.明るい/2.まあ明るい/3.やや暗い/4.暗い、の4段階で聴取。図表内の数値は次の通り:「明るい」=1.明るい/2.まあ明るいの合算、「暗い」=3.やや暗い/4.暗いの合算

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職場の従業員数別では、「明るい」が「49人以下」で51.9%、「300人以上」は63%で、10%程度の開きが見られました【図表8】。

※選択肢は、1.明るい/2.まあ明るい/3.やや暗い/4.暗い、の4段階で聴取。図表内の数値は次の通り:「明るい」=1.明るい/2.まあ明るいの合算、「暗い」=3.やや暗い/4.暗いの合算

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まとめ

今回の調査では、今年のビジネスパーソンの労働観をききました。「2022年は仕事面でどのような年だったか」を漢字一字できいた設問では「苦」「忙」といった文字が上位となり、仕事内容や会社の状況、収入面への厳しい受け止めがみられました。給与に関する回答では、1年前に比べて「財布のひもがかたくなった」人が約3割、「ランチ」や「飲み会」の金額を減らし、「貯蓄・投資」を増やすといった備え重視の側面もうかがえました。一方で「働き方」に関する回答では、「在宅勤務」だけではなく「副業」「週休3日」「ワーケーション」といった多様な働き方への関心がうかがえる結果となりました。

2023年への展望は、「明るい」とする回答者が55.8%に上りましたが、期待を込めてという回答理由も一定数上がっており、完全に楽観視されている状況でもないようです。

コロナ、円安、世界情勢など、先行きの不透明さが増す中、2023年はどのような年になるのでしょうか。ビジネスパーソン一人ひとりが、今まで以上に自らの今後を考え、自分や職場チームをどのように高めていくべきかを、考える年になるのかもしれません。

サイボウズ チームワーク総研では、ビジネスパーソンやチームを活性化させ、個人の幸福度とチームの生産性両方を高めるための研修プログラムを、多数ご用意しています。今後もチームやチームワークを考える一環として、様々な調査を行い発信してまいります。


※引用について
本調査を引用いただく際は、出所の明示をお願いいたします。
例)サイボウズチームワーク総研「2022年の労働観」に関する調査

著者プロフィール

三宅 雪子

チームワーク総研研究員・編集員。組織におけるチームワークを探求。働く人の強み・魅力を引き出し、人と人との関わりをチームの生産性へつなぐ道すじを探る。