在宅勤務は疲弊する?テレワークだからこその "つながる" オンライン活用法
新型コロナウイルスの影響で、テレワークにシフトした企業の方々、またはこれから本格導入したいと考えている方々も多いことと思います。
私たちサイボウズはテレワークを導入してから10年程になりますが、ここまで大規模に全社一斉に実施するのは、東日本大震災の時以来になります。ただ当時に比べ社員数も大幅に増えており(約3倍)、今回のようなほぼ強制的なテレワークは実質初めて体験する社員が多いのも事実です。
今回のテレワークについて社員の声を聴いてみると、一人暮らしの社員からは「一日中誰にも会わずに終わる」とか、子どものいる社員からは「どうしてもパフォーマンスが落ちてしまう」など、オフィスで働いている時に比べ、それぞれの状況によりストレスや感じることも違ってくるようです。強制的なテレワークに疲労を覚える声も増えています。
そんな中ですが、離れた場所で働きながらチームのつながりが保たれるよう、社内ではいろいろと新しいトライの芽が、自然発生的に出てきました。いくつかのオンライン活用法を紹介します。
一日のテレワーク始めに「朝会(あさかい)」
オフィスに出社していた時には顔を合わせればできていた、ちょっとした確認をするような場です。上司の訓示を聞くような、かしこまったものではありません。毎朝ほんの10分程度の短い時間、チームメンバーがテレビ会議でつながります。
オフィスで顔を合わせていた時のように、お互いのコンディション(疲れてそうだな等)を知り、共有します。自宅でのテレワークは、家を出る・電車に乗る、などの行動変化が乏しく、すべて自分でペース配分をする難しさもあります。そんな時、仕事始めのある種のルーティーンとしても有効かもしれません。
在宅勤務でもフラッと顔をだせば誰かがいる?「バーチャルラウンジ」
ちょっと遊んだ写真で失礼します・・これは、私たちチームワーク総研で、オンライン上に用意している「いつでも入れるテレビ会議室」の様子です。普段は自然な感じで話していますが、この日は撮影するということで、みな少々張り切ってしまいました。
この、いつでも入れるテレビ会議室=「バーチャルラウンジ」には一日中アクセスできるようになっていて、それをメンバーの予定表で共有しています。
予定表の中身には、URLと一緒にこんな言葉が書かれています。
普通のラウンジと一緒で
・ふらっといつでも来たり帰っていいよ
・休憩したりコーヒー飲んでてもいいよ
・勿論もくもくと仕事しててもいいよ
メンバーの存在を感じながら仕事をするも良し。話しかけたければいつでも話しかけて良し。職場で席を並べているような感覚の空間です。
実は、私は今日、一か月を超えるフル在宅ワークに疲れ果て、その気持ちを会社のグループウェア上でつぶやきました。その後コーヒーを淹れてラウンジへ行ってみたところ、「いつ来るかって話していたんだ」と、2人のメンバーが迎えてくれたのです。
在宅ワークを続けていると、普段は気づかないうちに周囲に聞いてもらっていることや、思ったように仕事が進まないストレスなどを、自分の中に飲み込み溜め込みしているのかもしれません。気楽につながる場があることは、仕事にも良い影響を与えてくれる気がします。
ちなみに、ラウンジに誰もいない時は、チャットなどで誰か来ない?と呼びかけることもあります。
新入社員も!全社全員「オンラインお花見」
4月に入って間もない頃、サイボウズ初の試みとなる「フルオンラインイベント」が開かれました。人により参加できる時間帯に違いがあるので、昼休みを利用した昼の部と、業務後に開かれる夜の部の二部構成で開催されました。
桜の花が満開になった東京オフィスのエントランスは、残念ながら当日の会場とはなりませんでしたが、社員ひとりひとりの自宅がお花見会場となりました。事前に運営メンバーが用意した、テレビ会議用の桜模様の壁紙を背景に参加する社員も多く、桜色の画面も場を賑わせてくれました。
ちょうど新入社員が入社したタイミング。外では散り始めていた桜ではありましたが、バーチャルなお花見ムードの中で新人の皆さんのお話しを聞けたことは、とても楽しい時間となりました。
以上3つのケースをご紹介しました。この先も強制的なテレワークという状況がいつまで続くのかは分かりません。先の見えない今だからこそ、少しでもチームが良い環境で働けるよう、新しいトライを続けていければと思います。
サイボウズチームワーク総研では、オンラインでご参加いただけるセミナーを行っています。宜しければお申込みください。
また、サイボウズ各部門の業務担当者が解説する、テレワークに関するセミナーを開催しています。サイボウズはどのように業務を行っているのか、現場のリアルを解説します。
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著者プロフィール
三宅 雪子
チームワーク総研研究員・編集員。組織におけるチームワークを探求。働く人の強み・魅力を引き出し、人と人との関わりをチームの生産性へつなぐ道すじを探る。