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「チームワーク経営塾」とは、どんな内容なのか?―いただいたご質問にお答えします

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このたび、サイボウズでは、企業の中で生じる様々な課題に対し、経営者のみではなく経営を担う方々とご参加いただく、チームワーク経営塾を開催します。

募集を開始してから、メディア等でもご紹介いただきました。

また、各方面からご意見やご質問をいただきました。

そこで、Q&A形式で、ご質問にお答えします。

チームワーク経営塾とは、一言で言うと何か?

今、少子高齢化社会により、各企業では、労働力不足が深刻な問題になっています。それに伴い、人材採用や生産性などにも影響が出始めています。

これらの問題に対して、どんな経営をしていけば、課題を解決できるのか......。

チームワーク経営塾では、「定着」「採用」「生産性向上」という3つの経営課題と、「売上向上」の両輪を回すために、必要な理論と、具体的なメソッドをお知らせします。

なぜ、IT企業がチームワーク経営塾を始めるのか?

サイボウズではこれまで、日本の多くの企業にグループウエアを導入し、広めることができました。

一方で、サイボウズの理念「チームワークあふれる社会を創る」に鑑みたとき、限界も感じはじめていました。

限界とは、「いい グループウエアを導入しても、いいチームが出来るとは限らない」ことです。その現実を目の当たりにしてきました。

良い組織にグループウエアを入れると、意思決定が速くなり 効率が上がるため、もっと良い組織になります。

「情報共有なんてしなくていい」「とりあえず社長の言うことを聞いておけばいい」という組織にグループウエアを入れても、チームワークは良くなりません。

おかげさまで、サイボウズはチーム作りや働き方改革でご評価をいただくようになってきました。

そこで、サイボウズがこれまで実践し、改善してきた独自の理論やメソッドを、チームワーク経営塾を通じてお伝えすることで、理念である、「チームワークあふれる社会/会社を創る」を実現したいと考えています。

どのような経営方法か?

「多様な個性を尊重する」という経営方法です。

「多様な個性を尊重する」と、子育てや介護など、時間や場所に制限がある方々を受け入れることができ、採用力が上がります。

また、多様な個性を受け入れると「自分は受け入れられている」と思う人が増えます。その結果、定着率が上がります。サイボウズでは、離職率が28%から4%に下がりました。

多様な個性を尊重すると、社員がバラバラになり、生産性が下がるのではないか?

多様な個性を尊重する経営をすると、生産性が上がります。

なぜなら、制限がある人同士が協力しあって働くため、情報共有が進み、仕事の最適化が図られていくからです。

また、「多様な個性を尊重する」と、自由な意見交換が始まります。多様な個性を掛け合わせるとさまざまなアイデアが生まれ、イノベーションを起こすことができます。

その結果、今までの「生き残るためのビジネスモデル」から脱却し、「クリエイティブなビジネスモデル」を作ることができるのです。

サイボウズには、「多様なニーズをどうやって把握していくか」「多様な個性とどう向き合ってマネジメントしていくか」「いろんな人とどう対応していくか」など、データベースの作り方や会議の運営など、多様な個性を生かすための独自のメソッドがあります。

「独自のメソッド」は、具体的には何か?

経営塾では、参加者それぞれの会社の中で起こっている「具体的な問題」を扱います。

それぞれの問題に対して、経営者の想いをトップダウンで振りかざすのではなく、議論によって「問題」や「共通の理想」を捉え、「課題を設定」し、解決していく方法をお伝えします。

議論する方法は、「問題解決メソッド」というサイボウズの社内で繰り返し実践している方法を用います。

問題解決の使い方を、社内の「共通言語」として使えるようになることによって、社内で起こるさまざまな問題に対し、何が起こっても、多様な意見を持った人を集めて、議論して解決することができるようになります。

経営塾に参加しても、会社の問題がそう簡単に解決するとは思えないが......?

「問題」がある背景には、必ず「理想」があります。問題から共通の理想を設定し、課題を見つける。そして、行動する......このサイクルを回し続けると、変化が起きます。

多様な個性が集まっているチームでは、このサイクルを回し続けることが特に大切です。

また、多様な個性が集まっていると、それぞれが思っている理想には差があるはずです。

「Aにするか、または、Bにするか」という対立の議論ではなく、「お互いの理想で共通化できることはないか」「さらに上位の理想はないか」といった「共通の理想」を探し、それを実現するために何をすべきかを議論すれば、問題は解決します。

会社の風土はそう簡単に変えられないのではないか?

会社の風土を変えるために、最も大切なことは、経営者自身が、会社を変えることにコミットすることです。

しかし、経営者一人で変えるのは大変です。

そこで、チームワーク経営塾では、経営者に加えて、社員の方が2名、一緒に受講できる「チーム型経営塾」です。

6回の講座に対し、毎回3名受講できますので、経営者のほかに、最大12名受講できます。

こうすることで、社内に、「同じ考え方や共通言語を使える人が複数に人いる」体制が整います。

1人よりも、社内に仲間がいた方が、チャレンジする土壌ができます。うまくいく会社なら、1~2回メソッドを活用することで、要領が分かってくるはずです。

要領が分かると、「何とかできたね」という成功体験が社内に生まれます。すると、改革が徐々に楽しくなり、幸福度が上がっていきます。

さらに、離職率など、結果が目に見え始めると、「これでいいんだ」と自信がつきます。その最初の1、2回転を一緒にまわしたいなと思っています。

研修費200万円は高いのではないか?

前出の通り、今回の経営塾は「チームで受けていただく」ことができます。実質「200万円÷受講者数」になります。

また、今後、日本社会は人口減少により、人材採用がますます難しくなります。

「働きやすい会社」に変革することで、求職者が増える他、離職率が低下することで、新たな人材を採用するコストが削減できます。

「採用コスト」や「離職率の低下」を含めてお考え下さい。

「チームワークあふれる会社」になるとどうなるのか?

チームワークが良くなると、「生産性」と「幸福度」がダブルで上がります。

多様な個性が生かされ、チームワークがうまく機能すると、「生産性」が上がります。

一人ひとりの個性や強みを出し合い、属人化させないようなチームができると、その成果は、1+1=2ではなく、もっと大きな数字になります。

また、チームワークがよい組織では、お互いの強みを行かすことができ、自分らしくいることができます。それは、社内外の「誰か」に貢献することでもあります。

他者への貢献は、感謝を生みます。感謝と貢献をシェアすることで、社員の幸福度が上がります。

それはまるで、スポーツの団体種目で、チームで協力し、勝利したときに、みんなで涙するようなイメージです。

「生産性」と「幸福度」が両方上がる......それが、チームワークあふれる会社です。

政府の「働き方改革」とは、何が違うのか?

働き方改革は、元々、現場で働く人たちが、過大な残業時間や、悪い労働環境など、人権問題が入り口でした。

しかし、現在の働き方改革は、「短時間で生産性を上げろ」「残業代も払わなくてラッキー」のような、「生産性を上げる」だけが働き方改革になっています。

働く側からすると、ちょっとツライ改革です。

働き方改革の理想は、「生産性の向上」と、社員の「幸福度の向上」の両方を実現することです。

企業として、生産性が高く出したい成果も出せる。しかも、社員が働きたい環境で働くことができて、幸福度やモチベーションも高い。

「生産性」と「幸福度」の両方を満たすために、何ができるのか、サイボウズが考える働き方改革です。

文・編集:竹内義晴

著者プロフィール

竹内義晴

チームワーク総研とサイボウズ式編集部の兼務。新潟でNPO法人しごとのみらいを経営しながらサイボウズで複業しています。「2拠点ワーク」「週2日社員」「フルリモート」というこれからの働き方を実践しています。