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思った通りにいかないことから学べるものは?──女子中学生の「チームワーク体験授業」

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※ベストチーム・オブ・ザ・イヤーのサイトから移設しました

ベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会が、学生のために主催する「ビジネスチームワーク体験」プログラム。大好評だった高校生向け授業を経て今回は、"学校紹介動画を作ってみよう"をテーマに、初の出張授業を開催しました。参加してくれたのは、鎌倉女子大学中等部2年生のみなさん。 「社会では、いろんな役割を持った人たちが、チームワークを発揮しながら仕事をしています。そろそろ、そういうことを意識しながら、自分の強みを明確にしていってほしい」という進路指導の先生のお話を聞き、プログラムのスタートです。

まずはチームを体験してみよう

チームを体験するために、4〜5人の10チームに分かれ、チームごとにペーパータワーを作ってみます。制限時間は2分以内。使えるものはA3用紙2枚だけ。始める前に1分間で計画を立てて、いざチャレンジ!より高いタワーを作ろうと競います。

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みんな開始と同時に立ち上がり、歓声をあげながらペラペラの紙がどうやったら立つのか、試行錯誤を繰り返します。折ったり、ねじったり...悪戦苦闘しながらも、制限時間ギリギリまでがんばりました。

チャレンジ終了後、ファシリテーターの村上さんからの「計画通りにできたか?」という問いに対し、「できた!」と胸を張るチームもあれば、「計画通りにいかなくて、結局立たなかった」と肩を落とすチームも。うまくいってもいかなくても、"計画通りかどうか"を意識することで、今後につなげられるということが学べたようです。

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チームワークとは

計画通りに進める難しさと重要性を体感したところで、サイボウズ株式会社 椋田亜砂美さんより、チームワークについてお話がありました。

「チームワークとは、ひとりひとりの力が合わさって、1+1=2以上の力を出すこと」。『日本人はチームワークが得意だと言われるが、子供の頃から徹底して個人の能力を伸ばすことに集中させられ、テストで評価される日本は実は個人主義。社会全体の多様性よりも、均質的に能力を伸ばそうとする』というチームラボ代表 猪子氏の言葉を引用し、「ひとりひとりのいろんな能力を生かしていくことこそ、本来のチームワークといえます」と説明しました。

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チームワークについて学んだところで、少しの休憩をはさみ、次は動画撮影のワークに入ります。

動画撮影を始める前に

動画撮影を始める前に、あらかじめチームで用意した「ワークシート」をもとに、チームごとにテーマや撮影計画を再確認します。

企画のテーマは「これから入学してくる後輩に学校を紹介しよう!」、作業時間は40分、制作する動画はノーカット30秒で編集は禁止。ワークシートには、撮影場所や使いたい道具、出演する人や30秒間のタイムテーブルが書かれてあります。

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チーム内で「リーダー(時間管理・行動の指示)」「プロデューサー(撮影企画の責任者)」「ディレクター(撮影内容の責任者)」「映像・演出(映像撮影の責任者)」の役割を決め、計画したタイムスケジュールに沿って、撮影を進められるよう、イメージを膨らませていきました。

動画撮影

しっかりと準備が整ったところで、いよいよ動画撮影の本番です。スタートの合図とともに、撮影に使用するタブレットを手にし、各チーム思い思いの場所へと移動しました。

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正門前でお辞儀をする学校の伝統を紹介したり、人工芝のグラウンドの上をゴロゴロ転がったり、校舎脇にある「学園の杜」で小川を飛び越えたり。

台車に乗ってカメラを回しながら動きのある絵を撮るチームや、先生にお願いして先生役で出演してもらうチームもあり、どのチームも自分たちの学校を目いっぱい魅力的に伝えようと、一生懸命取り組みました。

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制限時間の40分が過ぎ、「おもしろかったねー!」と話しながら教室に戻ってくる生徒たち。先生方からも「みんなこんなに楽しそうにしてくれるとは!」と、喜びの声が聞こえました。

総括

最後に、チームごとに「どんなところが計画通りにいったのか」「チームとしてどんな役割分担ができたか」「これからもっとよくするためには、どうすればいいのか」を振り返りました。

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「しっかりと役割分担をするのは初めてだったかもしれないけれど、今後チームで何かをするときには、自分の強みが発揮できるよう、役割をもって取り組んでください」と語るのは、ファシリテーターの村上さん。

「社会に出ると、まったく知らない人と組んで仕事をすることが多いです。これからも積極的に人と関わっていきながら、いろんな経験をしてください」と椋田さんからもメッセージがあり、プログラムは無事終了しました。

30秒で学んだチームワーク

後日、生徒のみなさんから寄せられた感想の一部をご紹介します。

「友達とすごく楽しい時間を過ごせました。時間の取り方がかなり難しく、計画通りに進めることはできなかったけど、ひとりひとりが自分の役割をしっかりできて、友達との絆が深まったと思います」

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「NGを出したり、ひとりひとりが自分の仕事をできて、良いチームワーク体験でした。笑いも絶えず、みんなが笑顔でできていて、良かったです。また、こういう風にやりたいなと思いました」

「今回の貴重な体験を通して、自分とは異なる価値観を受け入れ、自分の意見も表に出すという、日頃ではなかなか難しく、自分一人だったらできないようなことを「いい作品を作りたい」という思いで可能にすることができました。自分だけでなく、ましてや他人だけでなく、両者の意見を尊重できる人間になりたいと思いました」

テレビでCMを見ていると長いように感じますが、実際に撮影してみると30秒は、あっという間。時間や撮影環境などの制約を受けながら、思い通りにいかないときこそ、チームワークが発揮されるということを、みなさんしっかりと学べたようです。

(執筆:野本纏花/撮影:橋本直己

著者プロフィール

ベストチーム・オブ・ザ・イヤー

ベストチーム・オブ・ザ・イヤーは、2008~2016年の間、最もチームワークを発揮し、顕著な実績を残したチームを、毎年「いいチーム(11/26)の日」に表彰したアワードです。