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若手から意見が出ない──そのお悩み打ち明けていますか

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サイボウズチームワーク総研の近長です。

「若手には、積極的に意見を出してほしい」──しかし、若手から思ったように意見が出ない。打ち合せで意見を促してもシーンとしてしまう。順番に聞いても「特にありません」。結局、こちらで判断し指示することが多くなってしまう。リーダー層、中堅層から、そんなお悩みをよく伺います。

そこで、この記事では、若手から意見が出るようにするにはどうしたら良いか、考えてみたいと思います。

なかなか伝わらない「意見を言ってほしい」という気持ち

ところで、若手は本当に「意見がない」のでしょうか。

たとえば、ランチタイムや飲み会、仲間内や親しい先輩との会話などでは、「あそこはこう改善したほうが良い」「先日上司が○○と言っていたのだが、△△と言ったほうがみんなにはわかりやすいと思った」など、若手が不満や意見を話しているシーンを見かけたことはありませんか? つまり、若手は「意見がない」わけではなさそうです。

では、なぜ上司に伝えられないのでしょうか......。ひょっとしたら、「経験の少ない自分が言ったって仕方がない」「余計なことを言うより黙っていたい」「会議の時間が伸びるだけ」などと思っているのかもしれません。なかには「なんとなく」という若手もいます。いずれにしても、何らかの意見はあっても「この場では言えない」と感じているのです。

こちらは意見を言ってほしいと思っているのに、若手は「この場では言えない」と感じているのであれば、意見を言ってもらうのはなかなか難しそうです。

「意見があることに気づいていない」人もいる

なかには、「意見があるのに、それに気づいていない人」もいます

先日、研修の合間に、「上司に意見を求められても、ほかの人のようにうまく言えない」とお悩みの方の話を聞きました。じっくりお伺いしてみると、迷いながらもその人らしい考えや視点が徐々にでてきます。

お伺いして感じたことをこちらでまとめて、「□□とお考えなのかなと感じたのですが、いかがでしょうか」と相手に伝えたら、「そうです、そう言いたかったんです」とおっしゃっていました。

よく「結論を先に」と言います。しかし、意見がないという若手には、時には結論を急がずに、話をていねいに聞き、対話を重ねていくことによって自分の考えや視点に気づくこともあるでしょう。その結果、思いのほか素晴らしい意見が紡ぎだされてくることもあるのではないでしょうか。

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意見を「言える」ために、まず必要なのは「安心感」

では、若手が遠慮せずに意見を言えるようにするためには、何が必要なのでしょう。

まずは「安心感」だと感じます。

ここで言う「安心感」とは、心穏やかに過ごせる安心感というよりも、「自分の意見を言ってもいいんだ」と若手が感じられるような意味での安心感です。「変なことや、間違ったことを言っても大丈夫」「間違えるかもしれないと言わずに済ますより、多少変なことでも思い切って言ったほうがいい」という場づくり、と言ったほうがいいかもしれません。

若手とあなたの間には、今までの経験の違いから、視点の高さや広さ、価値観などが違うこともあるでしょう。ついつい、若手の意見を聞かずに、「それは違う」とか「分かっていない」とコメントしてしまうことはありませんか。

また、試行錯誤しながら言葉を紡いでいる若手に対して、「で、結論は?」のように意見を急かしてしまったり、話の内容が途中で変わると「話していることが矛盾している」と指摘してしまったりすることも、あるかもしれません。

このような指摘が続くと、言われた方は「言わなければ良かった」と感じるでしょう。また、それを見ている周りの人にも、「自分の意見を言うとああなるから、言わないほうが良い」という思いが伝播してしまいます。

若手が意見を言えるようにするためには、まず、「安心感」が必要です。

あなたが困っていることを素直に伝え、話を聞く

では、「言っても大丈夫」という「安心感」を確保するためには、どうすればよいのでしょうか?

わたしの個人的な経験で恐れ入ります。以前いた会社の話です。本社に所属していたのですが、現場との間に解決しなければならない課題があり、困っていました。そこで、現場の実情を知りたいと、実務を担っている現場の部署に行きました。

「課題を解決したいから、現場のみなさんの見解を聞きたい」と伝えたところ、現場の方々は、本社との壁を感じていたのか、最初は「そんなことは本社の人達で考えてください」と構えられてしまいました。

けれども、課題は解決しなければなりません。そこで、現場の人たちに「困っていることがあるのですが、相談にのってもらえませんか?」と素直に伝えてみました。すると、少しずつですが、会話をしてくれる人が出てきました。

現場の人の話に、最初は、粗削りだったり、矛盾していたり、一方的だと感じることもありました。けれども、まずは相手の話を聞くことに徹しました。また、相手を理解するために、質問を重ねながら、相手が言わんとしていることを理解するよう努めました。

そういった関わりをしばらく続けていると、現場の人たちから「近長さん、良いところに! この間の話について、ちょっと思いついたんですが」など、改善案を話してくれるようになりました。

また、「本社の人って遠い存在だと思っていたけど、色々大変なんですね」と励ましたり、慰めたりしてくれることもありました。

この経験を通じて大切だと思ったのは、「自分が困っているということを素直に伝え、話を聞く」ことの大切さでした。

等身大のあなたに安心感を覚え、聞いてくれる姿勢になる

管理職をしていると、若手から思ったように意見が出ないといったケースがよくありますね。そうすると、相手が何を言いたいのか分からず、悩んでしまいます。

管理職であるあなたが若手に意見を出してほしいのは、ひょっとしたら、「メンバーたるもの活発に意見を出しチームを盛り立てるべき」とか、「意見を言うことが若手の成長に繋がる」というお考えもあるかもしれません。

でも本当は、管理職であるあなたが一番困っていて、困っているあなたが若手の意見を聞きたい、ということはありませんか。

等身大のありのままの自分でいるのは少し勇気がいるかもしれませんが、先輩や上司も自分達若手と同様に、困ったり、悩んだりしていることが見えることで、あなたを身近に感じて「安心感」を覚えるはず。まずは、あなたの困りごとを素直に話してみましょう

と同時に、若手の話もていねいに聞きましょう。あなたに対して「親身に話を聞いてくれ、理解しようとしてくれているな」ということが分かれば、ますます「安心感」を抱くでしょう。その結果、若手は話してくれるようになるのだと思います。

著者プロフィール

近長由紀子

チームワーク総研所属の1級/国家資格キャリアコンサルタント。「その人らしく」と「その組織らしく」が両立できる人と組織の関係について、日々考えています。