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『「わがまま」がチームを強くする』を出版──サイボウズ式チームワークを解説

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サイボウズチームワーク総研では、このたび、朝日新聞出版から「わがままがチームを強くするを出版しました。

本書は、チームワーク総研の講師陣が、サイボウズ式チームワークメソッドを解説したはじめての書籍です。監修は、サイボウズ代表取締役の青野慶久。「チームの生産性」と「メンバーの幸福感」を両立させるメソッドを、惜しげもなく紹介しています。

この本のテーマは「わがまま」です。「わがまま」といえば、相手やまわりの人の意に反して、無理なことでも「自分がしたいままにすること」などと言われるように、一般的にはあまり「よくないもの」だと理解されています。

けれども、サイボウズでは「わがまま」こそがチームを強くすると考えています。「わがまま」について、本書を監修した青野は「わがまま」は変革へのきっかけと言います。

ここに、「はじめに」を公開します。

 はじめに――「わがまま」 は変革へのきっかけ

サイボウズ株式会社代表取締役社長 青野慶久

 「わがまま」という言葉には、どうしても悪いイメージがつきまといます。
 しかし、 「私は○○がしたい」 「私は○○が欲しい」といったわがままは、本当にいらないものでしょうか。

 私たちサイボウズでは、「わがままは『楽しく働くためのヒント』であり、『社会を変えるかもしれないアイデア』」だと考えています。
 むしろ、「わがままを引き出すから、競争力がつく」のです。
 そのことがつかめると、会社の見え方だけでなく、社会の見え方も変わってきます。

 今日のビジネスシーンでは、社員が希望する働き方を受け入れられない組織は、職場としての魅力をなくし、社員を十分採用できない状況になっています。
 経営者が「もっと長時間働け」とか「集中して働け」といくら強要したところで、結局、社員が辞めてしまったら、それまでです。

 また、飛躍的に生産性を上げようと思ったら、歯を食いしばって耐えるのではなく、いままでになかった大胆なアイデアを出し合い、ダイナミックに仕事のやり方を変えていかなければいけません。
 そんなアイデアの原石が、他でもない「わがまま」です。
 一人ひとりのわがままをしっかり引き出していかなければならないというのが、サイボウズの考え方です。

 「わがまま」は、一人ひとりのこだわりの証であり、変革へのきっかけでもあります。

 社員にとって、 「わがまま」を引き出してくれる会社は、 めちゃくちゃ楽しい会社です。
 自分が自分らしくいられて、自分のアイデアが業務に反映される――そんなワクワクする場所だからです。

 サイボウズの2005年の離職率は28%。
 年間で4人に1人が辞めている会社でした。
 しかし、現在の離職率は、7分の1に下がって、約4%。
 売り上げは、33億円から134億円(2019年)へと大きく成長しました。

 この間、サイボウズがやってきたことは、「一人ひとりの『わがまま』を引き出して、いかに幸福度と生産性を上げるか」という試行錯誤です。
 もっと楽しく働くにはどうすればいいか、もっと楽に働くにはどうすればいいか、日々、社員の希望を聞きながらチャレンジをしてきました。

 では、どのようにすれば、たくさんの「わがまま」をチームの力へと変え、幸福度と生産性を上げていくことができるのか――。
 本書では、グループウェア(チーム内の円滑な情報共有などをサポートするためのソフトウェア)の開発・販売を手掛けるサイボウズが実践し、10年以上培ってきたチームワークのノウハウを解説していきます。

 第1章では、 「わがまま」の重要性を確認しつつ、チーム力を高めるための基本的な考え方を解説します。
 第2章では、誰もが「わがまま」を言えるようにするためのアプローチ方法を解説します。
 第3章では、 「わがまま」をより建設的なものへと変えていくためのノウハウを解説します。
 最後の第4章では、一人ひとりの「わがまま」を組み合わせて、組織の力へと変えていくための仕組みについて解説します。

 チームの成長は、メンバー一人ひとりが「わがまま」を言い合うところから始まります。
 ぜひ本書をヒントに、一つひとつの「わがまま」――自分はこれをやりたい――をチームの力に変えていってください。
 私たち一人ひとりの「わがまま」こそが、新たな社会をつくり出す原動力なのですから。

本書が、あなたの「わがまま」が生かされ、チームを強くするための一助になればうれしいです。サイボウズ商店のほか、Amazonなどでもお買い求めいただけます。

著者プロフィール

竹内義晴

チームワーク総研とサイボウズ式編集部の兼務。新潟でNPO法人しごとのみらいを経営しながらサイボウズで複業しています。「2拠点ワーク」「週2日社員」「フルリモート」というこれからの働き方を実践しています。