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引き継ぎを受けた人の7割は「不満」、文書での引き継ぎにも問題点――「適切な業務配分」と「わかりやすい業務文書」が必須

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※ベストチーム・オブ・ザ・イヤーのサイトから移設しました

その年の「ベストチーム」を表彰し、チームワークの向上と促進を提案するベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会(委員長:おちまさと、以下:実行委員会)は、企業内のチームワークに関する調査の第二弾として、部署異動に関する仕事の引き継ぎの実態調査を行いました。

調査概要

調査対象 全国の24~35歳の会社員で「過去2年以内に部署異動による引き継ぎを受けた人」300名(各業界75名ずつ)
調査期間 2013年2月27日(水)~28日(木)
調査方法 インターネット調査

引き継ぎ期間は「1週間以内」が約6割 引き継ぎを受けた人の7割は引き継ぎに「問題があった」と回答 問題点のトップは「時間が足りない」

引き継ぎをした期間について聞いたところ、56.7%の人が「1週間以内」と答えました。引き継ぎ期間が「3日以内」と答えた人も約3割いました。業界別に見ると金融業界では、80.8%が「1週間以内」の引き継ぎであり、他の業界よりも短い期間で引き継ぎをしています【図1】。

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また、引き継ぎを受けるにあたり問題点があったかどうかという質問では、71.2%の人が「あった」と回答しました【図2】。問題の内訳は、「十分な時間がなかった」(59.9%)が一番多く、次いで「これまでの業務もあり、引き継ぎの余力がなかった」(37.4%)、「仕事の全体像や過去の履歴がわからないまま引き継がれた」(35.6%)、「引き継ぎ資料はあったが説明があまりなかった」(35.1%)と続きました【図3】。

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引き継ぎのルールも業務マニュアルもない会社が、ほぼ半数。情報・通信業界は文書化、文書のデジタル化が進んでいる傾向。メーカーやサービス業は、紙や口頭に頼る構図が浮き彫りに

引き継ぎの手順や引き継ぐ業務のマニュアルの有無を聞いたところ、「両方ともない」とした回答が、45.8%ありました【図4】。引き継ぎに関して会社としてのルールや、業務マニュアルの文書化があまり整備されていないことがうかがえます。

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引き継ぎにあたり使ったツールを聞いた質問では、「紙文書」(64.7%)、「Excel」(59.3%)「口頭」(59.3%)の順となり、現在でも「紙文書」が重用されている実態が浮き彫りになりました。紙以外に、引き継ぎデータとして使ったツールでは「Excel」が多用されています。 業種別にみると、情報・通信業界では紙文書のほか、各種ツールを使ったデータでの引き継ぎが他業界と比べて多く、業務の文書化がもっとも進んでいる業界のようです。一方、メーカーでは、「紙文書」と「口頭」が同率となり、サービス業界は紙文書よりも「口頭」と答えた人が多くいました。【図5】

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文書化で陥るワナは「書いてあることがわからない」。業務文書がなく引き継ぐ時間もないサービス業の悲鳴は上司への不満に? 技術系の職場では、文書化が進み、かつ周囲の協力もある傾向

引き継ぎの問題点を業種別に見たところ、「現在の業務との兼ね合いで引き継ぎの余力がなかった」という回答は業界で大きく分かれており、サービスやメーカーでは、現業務との兼任で引き継ぎが行われているという結果になりました。

情報・通信業界では、文書が存在している反面、「書いてあることがわからない」という回答が他業界に比べて多く、文書化の問題点も浮き彫りになっています。引き継ぎの時間や余力や、文書もないサービス業は、上司への不満も他業界と比べて多く出ています【図6】。

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職種別では、営業系は「引き継ぎの時間」や「文書の説明がなかった」が高く出ており、職種特性が反映されていることがわかります。 一方、技術系は、文書のわかりづらさはあるものの、全体像や過去の履歴も踏まえた上で引き継ぎがされており、かつ「上司や周囲のフォローがない」も職種別で最下位となっています。 職種柄、仕様書などのマニュアルのもと、上司やメンバー含めたチームで行う業務が多いのかもしれません【図7】。

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引き継ぎ期間の長さが、引き継ぎ成功につながるわけではない。関係する両者の「適切な業務配分」と「わかりやすい文書化」が必須か

「1週間以上の引き継ぎ期間」がある人でも、「成功したとは思っていない」というコメントが多くありました【図8】。引き継ぎ期間の長短と、実際の引き継ぎにおける満足度の間には、必ずしもイコール関係があるとはいえないようです。

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引き継ぎについて思うこと(FA)

実行委員会は今回の調査の結果を受けて、引き継ぎの成功には、引き継ぎをする人と受ける人両者の「現在の業務と引き継ぐ業務との適切な業務配分」と、「誰が読んでもわかる業務マニュアル」が必要であると受け止めました。

業務における適切な業務配分や引き継ぎ状況を適切に把握し、業務が滞りなく行われるようチームを作り上げていくことはチームリーダーの重要な役割の1つです。異動後の新しいチームワークを作り上げるために、スムーズな引き継ぎが行われたか否かを、リーダーとメンバーの評価の1つに加えることを提案します。

実行委員会では、今後もチームワークに関する調査を行い、発信してまいります。

「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」実行委員会

職場での「チームワーク」向上と促進を目的に結成された団体です。毎年「いいチーム(11/26)の日」に、その年に顕著な業績を残した優れたチームを表彰するアワード「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」を開催しています。

これまでの最優秀賞には、小惑星探査機「はやぶさ」プロジェクトチーム(JAXA)(2010年度)や、京速コンピューター「京」開発チーム(RIKEN)(2011年度)、東武タワースカイツリー株式会社東京スカイツリー運営チーム(2012年度)が受賞しています。※「いいチームの日(11/26)」は、日本記念日協会認定の記念日です。

報道関係者様からのお問い合わせ先

ベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会 事務局 椋田(むくた)

〒112-0004 東京都文京区後楽 1-4-14 後楽森ビル12階

TEL: 03-6316-1160 / FAX: 03-5805-9036 / MAIL: contact@team-work.jp

メディア掲載

photo credit: S.C. Asher via photopin cc

著者プロフィール

ベストチーム・オブ・ザ・イヤー

ベストチーム・オブ・ザ・イヤーは、2008~2016年の間、最もチームワークを発揮し、顕著な実績を残したチームを、毎年「いいチーム(11/26)の日」に表彰したアワードです。