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社会を変えるチームは今年も生まれるのか?──第2期「次世代リーダー フューチャーセッション」

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※ベストチーム・オブ・ザ・イヤーのサイトから移設しました

2月14日、ベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会が主催する「社会を変えるチームを創造する」フューチャーセッションの第2期が、いよいよスタートしました。

フューチャーセッションとは、これからの社会を変えたいという熱い想いを持つメンバーが集まって、「社会にインパクトを与え、日本を変える」チームを作る全4回のワークショップ。同じ課題に対して一緒になってアイデアを出し、関係性(=チーム)をつくり、それぞれができることからアクションを起こし、未来へのプロジェクトを創っていきます。

昨年度の第1期からは7つのチームが生まれ、そのうちの1つのチーム「エリアル」「移住フェス」というイベントを開催し、テレビなど多くのメディアでも取り上げられ、反響をよびました。

テレビに特集が組まれた際のVTRが会場に流れると、このワークショップから生まれたチームがここまで成長する可能性を秘めているんだ、と興奮冷めやらぬ様子に。

今期は30名を超える男女が集合。第1期に続き、社会を変える活動の創造を目指し、セッション終了時には「思っていたことが実現しそうでワクワクする」「こんなに数時間も自分のしたいことを話したことはなく興奮した」といった感想も。では、さっそく第1回目の様子をご紹介しましょう。

「全員でONE TEAMを目指す!」―――ファシリテーターの主旨説明でスタート

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今回ファシリテーターを担当する株式会社フューチャーセッションズの上井雄太さん

「今回は、スポーツ/アート/フード/ローカルの4つのテーマに共感した方々に集まってもらいました。日本を明るくしましょう!社会を変えていきましょう!」という上井さんの熱い言葉からスタートしました。

第1回目の目的は、「社会を変えるチームを創造するための土壌をつくる」こと。 「そのために対話のプログラムを通して、まず、今日集まったみんなが"ONE TEAM"という関係性をつくります。そして、社会を変えるチームとはどんなものかを深く理解し、最後にひとりひとりがやりたいことを明確にしていきます」

今日の流れに真剣な表情で耳を傾ける様子から、参加者の緊張感やワクワク感が伝わってきます。

各テーマですでに知見を持つサポーターも会に参加

参加者相互の自己紹介タイムが終わり、喋ったり動いたりすることでジワジワと緊張がほぐれてきた会場。そのまま、サポーターの紹介タイムになりました。

今期は4つのテーマごとに、すでにその分野で活躍されている5名の方を迎え、チームづくりのサポートをしていただきます。第1回は3名のサポーターが参加されました。

「スポーツ」村松邦子さん/Jリーグ理事・ウェルネス・システム研究所代表

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「人と組織を健康にするというテーマで活動や支援をしています。日本は"体育"や"運動"というと、ツラいとか苦手という先入観があると思います。本来、スポーツは遊びで、楽しいものなのに、それがなかなか伝わっていない。"スポーツは楽しい"ということが伝わると社会は元気になるし、豊かになると思っています。ぜひ、スポーツを通して、みなさんの活動を"つなぐ"というお手伝いをしたいと思っています」

「スポーツ」岡田真理さん/NPO法人ベースボールレジェンド・ファウンデーション代表

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「もともと野球が好きでした。スポーツライターとしてニューヨークで取材した際、スポーツにおける社会貢献活動が充実していることに驚きました。日本と大きく違うと思ったのは、支援先が野球という枠にとらわれず、本当に困っている人たちだということでした。そして、チャリティだと忘れてしまうぐらい楽しいことでした。ぜひ日本でも、そういったスポーツの楽しさを生かした活動をやっていきたいと思っています」

「ローカル」栗生はるかさん/文京建築会ユース代表

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「見落としがちな地域の魅力を再発見する、地域愛を育むといった活動をしています。たとえば、銭湯。実は全国で毎日1軒ずつ廃業しています。でも、高齢者の方々は家にお風呂があっても銭湯にやってきます。地域のサロンとして、なくてはならない存在になっている。このように地域に残しておきたいものを共有しておくことが大事だと考えています」

「就活でドッジボール」「くじらで障がい者支援」―――参加者のアイディアが、また新たなアイディアを生む

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ここからいよいよ参加者による対話のプログラムが始まります。4人組にわかれて、グループ対話を10分ずつ。4つそれぞれのテーマにおいて「"社会を変える"取り組みは、どのようなものがあるだろうか?」という課題に、みんなで意見を出し合っていきます。

そして、発表の時間に。ここでは、様々な切り口のユニークな意見がたくさん発表されました。

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テーマ:スポーツ

「子どもと親がスポーツを通してもっとコミュニケーションとれないかを考えました。公園や公共の施設で遊び方にも制限があるが、既存のスポーツ施設などを使えばもっと深まる」(堀江さん)

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「就活がガチガチで面白くないので、みんなジャージで一緒にドッチボールをやろうと。ボールを投げる時に、"あれ社長だ。避けようか"と思ったり(笑)。スポーツをやればその人の本質がみえるのでは? と。人を見て会社を選ぶという点にスポットをあててそんな話がでました」(まつおかさん)

まつおかさんのユニークな意見には会場から楽しい笑いが起きました。

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テーマ:ローカル

「ローカルは地方という意味ではなく、自分が暮らす生活圏と捉えています。自分の生活圏の中で、どうお金を使うかを徹底的に考えることで社会が変わるのと思います。自分の生活圏の、顔を見える人にお金を使う。それが僕のローカル。個人個人がそう考えてお金を使っていけば、社会が変わっていくと思います」(石渡さん)

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テーマ:アート

「障がい者の方たちが地域に根付いてほしいと、いま自治会と協力して、児童館で小学生と障がい者の方といっしょに絵を描くという活動をしている」(鈴木さん)

すると、同じチームのひらっちさんから意見が。「品川の国立海洋大には"くじら"のオブジェがある広いスペースがあるから、そこで同じような活動ができるかも」 ひとりひとりのアイディアが掛け合わさって広がっていきます。

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10分ずつの短い対話でしたが、テーマごとにさまざまな意見が飛び出しました。アイディアを付箋に記したところ、あっという間に会場の壁を埋め尽くしてしまいました。熱意がある人が集まると、かけ算でどんどん面白い発想が生まれるのが、このセッションの面白いところです。

4つのテーマから1つを選んで対話―――いま、もっともホットな課題は何か?

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テーマごと対話を終えたら、今度は自分が取り組みたいテーマを4つの中から選びます。 今度は、同じテーマに感心のあるもの同士で「もっともホットな問題・トピックは何か」を考えて共有します。その上で「自分が取り組みたい活動は何か」を話し合います。

なぜ、このステップを踏むかというと、単純に自分のやりたいことではなく、「社会を変える」ような共感を生むには、それが本当に社会のためになっているかも非常に重要だからです。まず、共感を生みそうなトピックは何があるかをチームで対話し、次に、自分が取り組みたいことを1分半ずつ2人組で、どんどん引き出していきます。

いよいよ参加者の「やりたいこと」を発表―――周囲の助言でやりたいことが明確に

いよいよ自分のやりたいことを明確化するステージ。

4人1組で、まずひとりが"プロジェクトオーナー"になります。プロジェクトオーナーは、「自分の本当にやりたいことは?大切なことは?」「そのプロジェクトの"社会的な意義は何か?」を、他の3人のメンバーに話します。メンバーは全員が引き出し役になり、プロジェクトオーナーに「どんな方法で?」「どんな目的で?」など次々と質問します。その質問に答えることで、プロジェクトオーナーは自分のプロジェクトを深堀し磨いていきます。

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プロアクションカフェがスタートすると、あちこちで「面白い!」「それいいね!」という声が聞こえてきました。何人かに感想を聞いてみました。

コウメイさん(「復興と防災を、サッカーを通して楽しく感心を持ってもらいたい」)

「いろんなアイデアを頂きました。自分の中で問題視していたことが深掘りできたし、新しい考え方や発見もいっぱいあった。たとえば、楽しむ方法として、実際に教育現場で"復興"をオフェンス、"防災"を"ディフェンス"とかサッカーになぞらえてやるとか」

Laimiさん

「すごく楽しかったし、いろんな意見をもらえるのが嬉しかったです。ひとりではなかなか気づかないことや、できないことも、みんなに相談したら、どんどん広がっていくのが面白いなと思いました」

ひとりひとりの思いをシェアしよう。次回、いよいよチーム結成へ

最後は各テーマ1人ずつが集まって新たに1つのチームをつくり、自分たちのやりたいことをシェアします。チームづくりの際、「フードのひと!」「こっちアート、誰か!」とあちこちで積極的に声が飛び交います。今日のスタート時のチームづくりとは、様相がまったく違います。ここまでくると、会場内はまさに"ONE TEAM"という一体感。

そして、あっと言う間にチェックアウトの時間です。全員が輪になって自分のやりたいプロジェクトを発表します。「シンプルな調味料だけを使った『さしすせそ食堂』」「オリンピック・パラリンピックすべてのスポーツをやってみようプロジェクト」「廃材でできる『ゴミカフェプロジェクト』」など、名前だけでワクワクするようなプロジェクトが30以上生まれました。

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ファシリテーターの上井さんから「できることは限られているかもしれません。でも目指す未来を共有して、それにむかって手段をみんなで連携しながら実現していく、そんなプロジェクトにしていきましょう」という言葉で締めくくられました。

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さらに「参加者の知人で、今回のチーム作りに必要だと思う方が回りにいらっしゃれば、ぜひ誘ってみてください!」とのこと。 確かに、チーム作りにはマンパワーが欠かせません! そして、あなたの飛び入り参加ももちろん歓迎します。

次回のフューチャーセッションは、2015年3月21日(土)の開催です。

(執筆:新川 五月/撮影:北畠 瑠乃/編集:プレスラボ

著者プロフィール

ベストチーム・オブ・ザ・イヤー

ベストチーム・オブ・ザ・イヤーは、2008~2016年の間、最もチームワークを発揮し、顕著な実績を残したチームを、毎年「いいチーム(11/26)の日」に表彰したアワードです。