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日本のチーム力、ここにあり――ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2012 表彰式レポート

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※ベストチーム・オブ・ザ・イヤーのサイトから移設しました

「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」は、「チームが生み出した実績」「組織力」「チーム内外の満足度」の3要素を総合的に評価し、国内外を問わず、社会的・経済的に高い実績・評価を獲得した製品やサービス・コンテンツを生み出した"チーム"に賞を贈るアワードです。
5回目を迎えた今回のアワードでは、これまでの「一般企業部門」に加え、新たに「スポーツ部門」「芸能文化部門」「特別賞」を新設し、計8つの多彩なチームを選出・表彰しました。

総合プロデューサー おちまさと氏によるあいさつ

まずは「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2012」審査員兼当アワード総合プロデューサーのおちまさと氏のあいさつです。

「日本は近い将来、世界中でどの国も未体験の少子高齢化社会に突入します。また、15年連続で3万人以上が自殺するという国でもあります。自殺の原因の第一位が人間関係です。そんな苦境に立たされている今、もう一度ここで踏ん張ってやろうじゃないかというきっかけを与えてくれたベストチームを、審査員一同で選りすぐりました。ぜひ最後まで楽しんでください」(おち氏)

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その後、実行委員長の一橋大学名誉教授 野中郁次郎氏と、審査員の有森裕子氏が登壇し、授賞式が始まりました。

特別賞 LDH株式会社

株式会社LDHは、EXILEが所属する芸能事務所であり、長年に渡ってダンス教室を運営しています。さまざまな世代にダンスを通じたチームワークを伝えている点を評価いたしました。

「LDHはEXILEを始めとする数々のグループのアーティストをマネジメントしています。まさにチームワークをテーマに、スタッフ一丸となって同じ方向に向かって活動しています。来年も受賞できるよう、さらにチームワークを高めながら頑張りたいと思います」(森氏)

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代表取締役副社長 森雅貴氏

一般企業部門

一般企業部門の優秀賞を受賞した4社の中から、最優秀賞が発表されました。

東武タワースカイツリー株式会社 東京スカイツリー運営チーム

2012年5月22日にグランドオープンした東京スカイツリー。開業から半年で来場者数は約328万人となり、世界一高い自立式電波塔として、東京の新名所として話題のスポットとなっています。

「2008年7月の着工から3年8カ月の工事期間を経て、2012年2月29日に完成しました。その間、工事に携わった方は58万人、地元の墨田区のみなさん23万人、開業から今日まで毎日展望台の運営をしているスタッフは1000人に上ります。今回の受賞はスカイツリーのプロジェクトにかかわったすべてのみなさんのチームプレーの結果です。どうもありがとうございました」

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東武タワースカイツリー株式会社 取締役社長 鈴木道明氏とソラカラちゃん

LINE株式会社、「LINE]開発チーム

無料通話・無料メールのスマートフォンアプリ「LINE」は、若者を中心に爆発的に普及しました。サービス開始から1年強で、全世界の登録ユーザー数が7,000万人を突破。その急成長ぶりが注目されています。

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LINE株式会社 執行役員/ CSMO ウェブサービス本部事業戦略室 室長 舛田淳氏

株式会社ジェイアイエヌ 「JINS PC」プロジェクトチーム

昭和63年に創業からさまざまな試行錯誤を繰り返し、「JINS PC」を世に送り出したのが、株式会社ジェイアイエヌです。2012年の爆発的なヒットを生み出した同社は、現在業界トップの売り上げを誇り、市場の勢力図を塗り替えています。

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株式会社ジェイアイエヌ マーケティング室マネージャー 矢村功氏

株式会社アワーズ アドベンチャーワールド パンダ育成チーム

これまで12頭ものパンダの繁殖に成功しており、2012年8月にも赤ちゃんが誕生しました。自然交配が非常に難しく、絶滅危惧種にも認定されているパンダの繁殖を成功に導く飼育チームのチームワークを評価しました(授賞式は都合により欠席されています)。

芸能文化部門

テルマエ・ロマエ制作チーム

映画「テルマエ・ロマエ」は日本のみならず、世界20以上の国や地域から公開オファーを受け、トロント国際映画祭を始めとする、多くの海外映画祭にも招待されました。

「制作の裏側では、クランクインの3日前に大震災がありまして。ものすごくおバカな映画を作ろうと始めたのに、一度はもう作れんじゃないかと中断したりもしました」(稲葉氏)

「その後、今自分たちにできるを考え、見た人が少しでも嫌なことを忘れて楽しんでくれる映画を作ろうと再出発しました。そこから現場にチームワークというか、ものすごいエネルギーが生まれました。今回の(テルマエ・ロマエ)チームはベストチームだったよねとよく話していたのでこういう形で賞をいただけたことを本当に嬉しく思います」(稲葉氏)

「震災で心が折れかかった状況でも、周囲の頑張ろうという励ましがあり、最後まで撮ることができました。チームワークは大切だなと感じました」(武内氏)

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ドラマ演出家・映画監督 武内英樹氏(左)とプロデューサーの稲葉直人氏

スポーツ部門

ロンドンオリンピック団体戦で活躍したメダリストチームは、スポーツを通じて感動とチームワークの大切さを伝えてくれました。今回は各団体チームを代表して、3選手が登壇しました。

フェンシング 太田雄貴選手

「北京オリンピックでも個人でメダルを獲ったのですが、この賞は団体チームに与えられるものなので、本当に嬉しく思っています。また4年後に表彰していただけるよう、今後もフェンシングの普及やリオデジャネイロ(オリンピック)に向けてチームで頑張りたいと思います」

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アーチェリー 蟹江美貴選手

「アーチェリーの団体では初のメダルとなりました。私だけの力だけではなくて、川中選手・早川選手の力があってとれたメダルですし、この賞も私だけではなくチームみんなのものだと思っています」

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卓球 平野早矢香選手

「北京オリンピックの終了から4年間、チーム一丸となって目指してきたロンドンオリンピック。メダルにやっと手が届いて、本当に嬉しいです。卓球界の中では日本が一番チームとしてまとまっていて、素晴らしかったと思っています。今後も応援をどうぞよろしくお願いします」

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芸能文化部門 特別賞:冨永愛&土屋アンナ「ミューズ」チーム

トップモデルとして日本のファッション界を担い、20代を中心とする女性やママの憧れの的である冨永愛さんと土屋アンナさん。2012年は二人での活動が目立ち、素晴らしいチームワークを見せてくれました。

「公私ともに仲良くしているアンナと一緒にこの賞がとれたのが、とてもうれしいですね。ママ友として、仕事仲間として、ものすごく信頼できる彼女と友達になれて、こんな賞までもらえて、本当に嬉しいです」(冨永さん)

「何をいただいても嬉しいけど、愛ちゃんと一緒に賞をもらえたのは一番ですね。プライベートだけじゃなく、違う分野でモデルとして仕事をしている中でも、お互いにリスペクトするという気持ちがあります。モデルの愛ちゃん、アーティストでモデルの私。私たちは『ミューズ』チーム――ミューズという言葉がアートを総称している――ですね」(土屋さん)

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ビジネスシーン チームワークトークセッション

一般企業部門を受賞した3社と、芸能文化部門特別賞を受賞した冨永さん&土屋さんのお二人をゲストに迎え、ビジネスシーンでのチームワークについてトークセッションが開催されました。

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Q.日本のビジネスにおいて、強固なチームワークを築くために大切だと思うことは?

チームの目的を明確にして、それぞれが目的を達成するために何をすればいいのかを、しっかりと上司が部下に伝えて、目的意識をはっきり持つことが大事だと思います。


日本でも世界でも、自分たちは流れの中にいるのだということを、チーム一人ひとりが当事者意識を持って、骨の髄まで自覚することだと思います。


個々人が独立して、何をすべきかちゃんと自分で考えることだと思います。みんなが集まれば何とかなるという人が集まっても、何ともならないことが多いので。


スカイツリーは震災の影響はどうでしたか?

まだ建設期間中で、500mくらいの高いところで作業していた方もたくさんいたんですけれども、奇跡的にケガ人も1人も出ず、鉄骨やコンクリートの構造部分にもまったく影響はありませんでした。驚いたのは、地震が収まった後に非難をする際、みなさんまったくパニックになっていなかったことです。1人ずつ順番を待って、工事用の階段を落ち着いて下りていました。そうした行動ができたのは、日頃の現場のチームワークができているからこそなのかなと感じました。


先ほどJINS PCさんがおっしゃっていた話は、"誰かがやってくれると待っていたら何もできない"というのと同じで、スポーツの現場でもあることなんです。チームの意識は個人の意識が作る。チームが強くなるには個人が強くならないといけないし、チームが世界を目指すなら個人が世界を目指していないといけない。そこのつながりは大事なのかなと思いますね。

そうですね。JINS PCは誰も見たことのないPC用の眼鏡を作ったので、デザイナーは何をしないといけないのか、店舗は何をお客さまに伝えないといけないのか、それぞれ全員が考えて行動するということが求められました。


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LINEの製作秘話は?

LINEも3.11を経験して、今までのインターネットで知らない人と出会うのではなく、単純に親や子供、恋人や家族といった近い人たちを繋げたいということで開発しました。震災がある程度落ち着いた4月半ばから、1秒でも早く出すぞと、不眠不休でマーケティングも開発も企画も、全部が同時並行でしゃべりながら作ったというのは、まさにチームワークを感じましたね。


Q.受賞されたみなさんの来年の展望は?

開業から半年が経過し、これからの半年、さらには来年度、と新しいシーズンを迎える度に、木のごとく成長していかなければいけないと思っています。スカイツリーの運営に関わるスタッフの連携を密にして、今日いただいたベストチームの栄誉を汚すことのないように、多くのお客さまにお楽しみいただけるよう、努力していきたいと思っております。


残念ながら日本からインターネットサービスで世界を狙えるサービスはまだ生まれていません。LINEは今、全世界で7700万人のユーザーがおりまして、だいたい3週間で500万人ずつ増えています。ですので、国内1億ユーザーという目標をまず今年達成し、FacebookやTwitterといった世界中の人々が使うサービスになれるよう、チームメンバー力を合わせて、日本初となる世界のサービスを実現していきたいと考えています。


11月にLINEの公式アカウントを取得したんで、次はスカイツリーのソラマチに出店できればいいなと思いつつ。眼鏡が視力矯正以外の価値をもたらすものであるということは何となく浸透してきたかなと思いますので、さらなる付加価値を提供できる新しい眼鏡を生み出してお客さまに届けていきたいです。


芸能文化・スポーツチーム チームワークトークセッション

そして次は、芸能文化部門/スポーツ部門を受賞されたみなさんによる"チームワーク"についてお話いただきました。

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Q.映画制作は長期間に渡るが、チームワークの重要性は?

200人以上いるので喧嘩をすることはしょっちゅうですが、ひとつの目的に向かってみんなでいいものを作ろうという気持ちにさえなれば、その程度のハードルは乗り越えられるので、プロデューサー・監督の仕事としては、ゴールを指し示してあげることなのかなと思います


映画制作でチームワークが大切なのは当たり前なのですが、テルマエ・ロマエに関しては、会った初日に東北の温泉で裸の付き合いができたのは、チームワークを早めた原因だったと思います。


Q.種目が違うメダリストチームのみなさんが、オリンピック中や普段の活動中にチームワークを築く上で大切にされていることは?

普段の練習もすごく大事にするんですけど、僕たちはできるだけプライベートの時間を一緒に過ごして、チームワークを高めようとしました。みんなで本気で鬼ごっこをしたり、みんなでUSJや祇園祭に行ったり、陶芸教室にも通ったり。いろんなことをしてチームワークを高めて、金メダルをとろうとしていました。


選手3人が決まる前からみんな顔見知りだったんですけど、練習場所がバラバラなので、合宿で集まったときには、限られた時間の中で、みんなでショッピングに行ったり、ごはんもずっと3人で食べたりしていました。そういった小さなことの積み重ねが今回いい結果につながったんだと思います


私たち3人もそれぞれ練習場所が違うので、一緒になるのは試合の時や合宿のときになってしまうんですけど、そのときは普段家族と生活するよりも長く一緒に過ごしているので、お互いの性格も十分に分かっていました。試合のときにはみんな目指すところは同じだったので、日頃から何をするわけでもなく、自然とチームワークも高まっていたと思います。


マラソンはひとりで練習するものなので、自分との戦いになるんですけど、みなさん個人でもらう賞もあって、チームの賞もある中で、そこの気持ちの切り替えはうまくできるものですか?

フェンシングの場合は基本的に個人戦なので、個人ががんばっている限り、団体としても強いんです。ただ、日本は世界ランキングでいうとすごく低くて、大一番で勝つためには、チームワークしかないと思っていたので、そこの切り替えについては、キャプテンとしていろいろ考えました。


Q.みなさんの来年の抱負をお聞かせください

立場上、来年の予定をしゃべれないんですけど、テルマエ・ロマエよりもみなさんにおもしろいねと言ってもらえる作品を作っていきたいなと思います。


同じく言えないんですけど、女信長という天海祐希さん主演のスペシャルドラマをやりますので、ぜひそれを見ていただければと思います。


来年はオリンピックがないんですけど、ひとつひとつ自分ができることを一生懸命がんばって、今年より良い年にしたいと思います。


ロンドンオリンピックが終わってから気持ちが落ち着いちゃって、ちょっとお休み期間をいただいているんですが、ずっとアーチェリーに費やしてきた分、ちゃんとチャージしてまたがんばれるようにしたいです。


2013年1月に全日本選手権がありますので、今回賞をいただいたチームの2人ともライバルになってしまうんですが、それをがんばって、世界選手権とリオに向けて、また4年間がんばっていきたいです。


もうこういう風に来年の抱負を述べるような時期になってきましたよね。私は来年2013年も今年と同じように今あるものをきちんと向き合って努力を惜しまずにがんばっていこうかなと思っています。


仕事があったら嬉しいね! あるかな? 来年はゼロとかないかな?(笑) がんばって仕事はしたいですね。今年はいっぱいライブできたから、来年もいろんなところでライブしたいです。私、3月11日が誕生日なので、子供たちもいっぱいいるし、被災地とかもまた行きたいですね。


豪華な登壇者のみなさんによる表彰式の模様は、いかがだったでしょうか。チームは何も特別なものではなく、みなさんの身近にもいろんな形で存在しています。2013年も素晴らしいチームと出会えることを、実行委員会一同楽しみにしています!

著者プロフィール

ベストチーム・オブ・ザ・イヤー

ベストチーム・オブ・ザ・イヤーは、2008~2016年の間、最もチームワークを発揮し、顕著な実績を残したチームを、毎年「いいチーム(11/26)の日」に表彰したアワードです。